第84話 サリア教皇救出戦 終焉VS厄神 威と呪

『神降ろしの広場』。ここで、終焉を司りし者と大司教が戦っていた。


「神代流魔剣術 竜の巻 贖罪の鎌鼬!」


真空の刃が複数放たれる。が、ラペシュは赤黒い<魔法障壁>を展開して防いでいく。


(本当に厄介だな、あの障壁。)


イチロウは内心でそう思いながら、神剣を構えていた。


ラペシュ

レベル:200

種族:人族(厄神)

二つ名:大司教

[能力値]

HP:200,000/200,000

MP:200,000/200,000

攻撃力:200,000

防御力:200,000

[スキル]

<飛行>、<最上級火属性魔法 LV.5>、<最上級風属性魔法 LV.5>、<魔法障壁>、<最上級呪術>、<HP&MP回復>、<レベル倍化>

[固有スキル]

<厄神>

[好感度]

0/100


邪神、それは昔に神界から逃亡したとある女神1柱と元下級神の男神3柱(災神、禍神、厄神)の4柱が地上で邪に染まった成れの果てであり、この情報はヴィシュヌによる禁錮50年の懲罰時に聞かされた。が、まさか早速その1人と遭遇することになるとは思わなんだ。


「この感じ...。成程、あなたはもう、私の正体に気づいているようですね?」


どうやら僕が鑑定したのもバレているようだ。ラペシュはニヤリと笑い、その正体を明かす。


「そうです。私は元下級神であり、現厄神です。私の見立てならまぁ、あなたとは四分六分の戦いが出来ると思いますがね。さて、もう少しだけ力試しに付き合っていただきますよ!」


ラペシュは火属性魔法と風属性魔法を混合させると、巨大な炎の竜巻を発生させる。


「<ファイア・ミュートラル・ストーム>。」


僕に向かってそれが放たれる。大きさなら『奈落の底』のプラチナ・キングドラゴンと同程度である。


「<魔装:威圧>。」


ならば、こっちはそれよりも大きいもので返せば良い。


「ふっ。」


神剣を一閃して、赤白い稲妻の斬撃を繰り出す。すると、忽ち炎の竜巻を巻き込んでラペシュへと斬撃が向かい、ヒットする。


「フフフ。あなたは学習しませんね?私にはその程度の攻撃は効かないと何度、お見せすれば?」


「先に言っておく!今のは全力じゃない...地上にダメージの残らないように加減した20の力だ!」


攻撃力∞によりバグってしまった威力。それを今度は20から50へと増加させる。


「ハァァァァ!」


すると、神剣から迸る赤白い稲妻がより大きくなり、僕の周りの地面を抉り始める。


「くっ...何だ?何なんだ!?この魔力は!?」


ここで始めて、僕は50%の力を振るう!


「神代流魔剣術 威の巻 神薙!」


いつもの衝撃波の範囲が、力を込めたことで今度は広範囲へと変わる。それは、<魔法障壁>を破壊するだけでなく、更にラペシュの背後の巨大な樹木をも抉っていく。ラペシュは自分の<魔法障壁>の破壊ではなく、その背後の抉れた大地を見て驚いていた。


「ば...馬鹿な!?」


「悪い。<魔法障壁>のせいで軌道がずれた。次は当てる。」


ラペシュはそれを見て...空へと逃げ出した。


「引くしかない、引いて体勢を立て直す!」


そんなラペシュの肩を掴む手の感触があった。<飛行>で飛んだイチロウだった。


「逃がすかよ。」


僕はラペシュの肩を引いて、元の『神降ろしの広場』に向かって投げ飛ばした。すかさず、地上に向かって飛行し、<魔法障壁>が壊れたラペシュに20%の一撃を振り下ろす。


「神代流魔剣術 威の巻 神立!」


「くっ。<呪殺の剣カース・ソード>。」


ラペシュは赤黒い剣で、僕の剣を受け止めた。


「精々私の攻撃をかわすんだな。この剣を一発でも食らえば、てめぇはおしまいだからよぉ。」


言葉使いが荒くなっていくラペシュ。こっちが本性なのだろう。僕は鍔競り合いをしながら、隙を見て魔法を発動させていく。


「神代流魔剣術 威の巻 神楽散花!」


複数の衝撃波をラペシュに向かって放っていくが、


「調子に乗るんじゃねぇ!最上級呪術<呪法返しカース・リターン>。」


掌に黒い魔法陣が出現し、衝撃波がそこに当たると今度は180度進行方向を変える。僕はそれを避けるが、<飛行>で先回りしていたラペシュが剣を振り回す。


「貰ったぁ!」


僕は何とかギリギリでかわそうとするが、


「甘ぇよ!<呪いの霧カース・ミスト>。」


赤黒い切っ先から、それと同じ色の霧が発生する。


「ハハハ。これで勝った。てめぇは僅かに霧を吸っちまったなぁ!」


とくに変わったところはないけど。


「今はまだ現われてないようだが、てめぇの能力値、つまりHP、MP、攻撃力、防御力ひっくるめて時間経過とともに減っていく。そして、その能力値が私より下回った時に敗北が決める訳だぁ!」


(そして、さらにこれで動揺を誘って、隙を作る!)


正直に言う。もう能力値についてはもう増えても減っても別に良いのだ。だって、能力値は全部∞だもん!


「神代流魔剣術 威の巻」


ポチッ!


ドゴォーン!


「は?」


トドメを指そうとしたが、爆発音が響く。その音が響いた方角を確認すると、『神降ろしの間』が爆発オチを決めていた。


注:ツカネ達と被害者の会は全員、転移魔法で転移し終わっています。


ーーー


次回、イチロウ覚醒!!

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