第73話 サリア教皇救出戦 魔法神VS渇欲
魔法神であるツカネは、道を進んでいくと大きい闘技場へと差し掛かる。リングの上にはでっかい大男の姿があった。
「ゴハハハ。来たか侵入者。俺は渇欲のガルザ。てめぇを粉々に砕いて、塵一つにする男の名だ。」
ツカネはこの時、思った。
(うるさいけど、頑丈そう♪色々な新しい魔法を試せるかもぉ♪)
新しいオモチャを見つけたとばかりに軽い足取りでリングへと上がった。
「ほう。怖がらずにこのリングに立ったことは褒めてやろう。だが、それがてめぇの最後の栄光となるのだ。ウオオオ!」
ガルザは身体から赤黒いオーラを噴出する。ツカネはそれを見て、取りあえず鑑定を行ってみた。
ガルザ
レベル:95
種族:獣人族(ロックコング)
[能力値]
HP:9,500/9,500
MP:9,500/9,500
攻撃力:9,500
防御力:9,500
[スキル]
<土属性魔法 LV.9>、<金剛力>、<レベル倍化>
[固有スキル]
<厄神の加護>
[好感度]
10/100
ツカネはそれを見て、
(何だこの程度か。つまんなーい。もう少し魔法寄りにしてくんないかなー。)
溜息をついた。この行為はガルザを怒らせるには十分な効果を発揮した。
「てめぇ。今、俺を鼻で笑いやがったな。一瞬で粉々にして楽に死なせてやろうかと思ったが、やめだ。じっくりといたぶって、バカな真似をしたことを後悔させてやる。」
ガルザはその巨大な手に<アースプラスシィーシィス>により、岩で出来た巨大な義手を形成し、そこから岩の弾丸を繰り出した。
「<竜巻>。」
ツカネはシラユキから盗み見て獲得した最上級竜魔法で、岩の弾丸を受け止め、風に巻き込ませる。元々、最上級竜魔法は派生属性の1つであり、魔法神である彼女が使えてもおかしくはないのだ。
「はい、返すねー。」
<魔力操作>により、岩の弾丸はツカネの手で操られ、ガルザの所へと降り注ぐ。しかし、
「ふん。<アースアーマー>。」
ガルザの身体に岩の鎧が形成され、岩の弾丸から身を守った。
「ゴハハハ。どうだ。この鎧。そして、このパワフルな手。これぞ、俺の真骨頂だ。いかなる攻撃や防御も
うらあああと岩の巨大な手が振り落とされる。その拳の大きさの砲撃範囲は広く、回避するのは難しい。
ドッゴォーン!
「ゴハハハハ。どうだ。俺の鉄拳は。痛すぎて声も出ねぇだろ。だが、こんなもんじゃ済まさねぇぜ!てめぇは俺のことをバカにしやがったんだ。その報いを受けてから、あの世に行って貰わねぇとなぁ!」
ドゴォーン!
バカーン!
ガルザはツカネを殴り倒した所に更に、岩で出来た巨大な拳の雨を降らせた。これにより、リングの3分の1は崩壊し、その残骸にはツカネの一部分も見当たらなくなった。
「ゴォーハッハッハ。これだ。これなのだ。相手を単純な破壊により打ち倒すこの快感!これこそ、俺の楽しみなのだ。だからこそ、戦いを肯定して下さったラペシュ様には感謝もしきれねぇ。見たか、あの世に旅だった女よ!俺をバカにしたから、てめぇはそこにいる目に」
ガルザはそこで言葉を切った。足の方に一筋の雷が走り、痛みが走ったからだ。
「グウアアア。いってぇ。いってぇよぉ。あいつは確かに殴り倒した。手加減もあったんだ。なのに何故だぁぁぁ!」
「それは、キミが物理に頼っているからだよ。」
ガルザの目の前に無傷のツカネが現われた。
「光属性魔法<ミラージュ>。幻影を創り出す魔法だよー。これで相手がすっかりいい気になったトコロでいっきに突き落とすのが、魔法の良い所の一つなんだよねー。」
黒い笑顔を浮かべるツカネ。彼女の言葉は更に続く。
「さーて、折角だから他の技も見せてよー。ほら、<レベル倍化>とかそんな奥の手みたいなやつとかさー。」
<挑発>を伴ったこの言葉は、ガルザには効果覿面だった。
「い、言ったな。ならば見せてやる。俺の奥の手をなぁ。<レベル倍化>。」
すると、ガルザの身体は赤黒くなり、身体からは蒸気が噴き出す。そしてオーラは赤黒いものから黒色へと変化していた。
「ゴハハァ。オレハサイキョウ。キサマヲツブスモノダァー!」
「<シックス・ロッド・プリズン>。」
ツカネは人差し指と中指を相手に向けると、特級光属性魔法で6つの光の束を発生させて、ガルザを捕らえる。さらに、
「<プリズム・チェーン・バンド>。<ナイン・サンダー・バンド>。」
特級光属性魔法による光の鎖、特級雷属性魔法による九つの雷球を連続で放つことで、ガルザの身体をガチガチに拘束する。
「ウ、ウゴカン!」
「有限の楔、届かざる悪の吐息、見えざる神の
ツカネが発する言葉は
「ソ、ソンナマホウヲウタセルトオモウカ!コンナモノ」
「遅い!最上級光属性魔法<
ツカネの背後から8つの巨大な光の矢がヴァニタに降り注ぎ、リングは全壊、ガルザは光に飲まれて消滅した。
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