第154話 偶然の仕業

 書店で棚の本に手を伸ばしたら、隣の人と手が触れた。いつも電車で一緒になる、気になる男子だった。偶然の仕業に感謝したが、引っ込み思案の私は、ごめんなさいしか言えなかった。

 翌朝また電車で彼と会ったら、微笑みかけてくれた。覚えてくれてたんだ。

 思い切って一歩踏み出そうかな。

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