第046話 悪夢を見た。
また悪夢を見た。
取り憑かれた私に、眠りは安らぎにならない。
目を閉じるたびに襲ってくる無数の夢は、ある人物に収束する。昔捨てた彼女が、なぜ今ごろ私の眠りを妨げるか。
まぶたに映る彼女の顔を消すために、私は銃をこめかみにあて、引き金を引いた。
これで穏やかに眠れるだろう、永遠に。
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