086.お姉ちゃんとの個人レッスン♡~頑張るお姉ちゃんは好きですか?(後編)~

いつもありがとうございます。


前回のあらすじ

お姉ちゃん、自身の大きなお胸の遠心力に抗えず……。


――――――――――――――――――――――――――――――――


「「…………」」


グラウンドを走るときなんかに走りにくそうにしてたのは見ていたけど、マリアナさんの運動音痴の理由がその大きな胸のせいと分かってしまい、僕らはそろって顔を赤くしながら何も言えずにいた……。


 これは、どうにも解決できない問題だ……。


 何とも言えない空気が僕らを包んでしまい……僕がとった対応は。


「で、では術の方の緩急と効率化のお話ですけど……」


「そ、そうね……」


 とりあえずスルー、だ。


 マリアナさんのお胸を小さくすることなんてできないし、僕の中の男が『それを捨てるなんてとんでもない』と言っている気がする。

 ……いやいや、真面目にやらないと。


「輝光路の訓練は、まだ続けているのですよね?」


「ええ、ルナちゃんに言われたとおりにやっているのだけれど……どうにも、流し込む輝光力をうまく調節できなくて……」


 マリアナさんはまだ少しモジモジとしていて恥ずかしそうだけれども、僕の強引な話題転換に乗ってきてくれた。


「心結晶から力を取り出すときに、『少しだけ、少しだけ』と意識してみたりはしているのだけれど……どうにも私は、自分の中にある力の量を感じ取るのが苦手みたいなの……」


「なるほどです……」


 以前に『ズル』を行って輝光力が輝光路を流れることを感じ取れるようにはなったものの、マリアナさんの場合はその手前の段階がまだ……といった感じなのだろうか。

 それは本人の感覚に依る部分だから……地道に訓練を繰り返してその感覚を掴むか、それとも……またズルをするか、だ。


「その、ね、ルナちゃん……お願いがあるの」


 僕がどう感覚的な部分を掴んでもらうかを考えていると、マリアナさんは『お願いがある』といって僕の手を取ってきた。


「はい、なんでしょう……? マリアナさんのお願いでしたら極力叶えたいと思いますので、何でも言ってください」


 再び感じたそのしっとりとした温かさにドキッとしつつ、僕は友達として役に立てるならと表情を取り繕って微笑みかけた。


「ありがとう、ルナちゃん……。それでね、私って……トロいから、多分自分で何度やってもダメだと思うの……。でも、この感覚を掴まないとルナちゃんが言うようには出来ないのはわかっているのよ……? だからまた、アレを……してくれないかしら……?」


「アレ……ですか? それって、もしかして……」


「そう。前にルナちゃんがしてくれた……ルナちゃんの力を注いでもらって、感覚を掴むアレ……よ」


 僕の問いに、ますますマリアナさんは頬を染めながら答えてくれた。


 僕もちょうどそのこと……『ズル』を考えていたけれども、まさかマリアナさんのほうから言い出すとは……。

 ただ、前回やったときに知ったけれども、どうも女の子に対してアレを行うと……『すごいこと』になってしまう……のだけど。


「その、マリアナさんは……嫌じゃないですか?」


 僕は、嫌ではない。


 ただ『溜まって』しまう可能性がものすごく高いけれど、それでマリアナさんの輝光術の腕が上達するなら必要な犠牲と思うこともできるし……男心としては、正直に言うと役得感がある。


 そんなこと考えたら、何も知らない相手の女の子に対しては失礼かもしれないけれど……。


 少なくとも、僕がやられる側だったら、人前で『あられもない姿』を晒すことになるので……嫌に思う部分があるかもしれない。


 しかし、マリアナさんは……恥ずかしそうにしながらも、首を横に振った。


「嫌では、ないわ……。ルナちゃんが私のためにしてくれることだもの。とっても嬉しい気持ちになるし……それに、ちょっと気持ちよかったし……」


「ぅっ……」


 な、なんてことを言うんですかこのお姉ちゃんは……!?


 最後の方は小声だったとはいえ、『気持ちよかった』なんて言いながら膝を擦り合わせる仕草なんてされたら……!


『ル、ルナちゃんっ……いいっ、いいわぁっ……もっとぉっ……♡』


 い、いやいや、ヘンなことを考えたらダメだよ僕っ。

 何を白昼堂々、しかも本人を前にして妄想してるんだ僕っ。


「ルナちゃん……? もしかして、ルナちゃんはイヤだった……?」


 僕が自分の中の邪な妄想を振り払うために首を振ったのを勘違いしてしまったのか、マリアナさんはそう不安そうに聞いてきた。


「へっ? いえいえっ、そんなことはないですよっ……!」


 僕は勘違いをさせてしまったこととか、いろいろな意味で申し訳なくなりながらそれを必死に否定する。


「そう? ふふっ、そうよね。ルナちゃんは女の子が大好きだものね。でも、えっちなのは……ほどほどにしないと、めっ、よ?」


 ……ちょっと必死過ぎたのか、『めっ』と可愛く窘められてしまった。


 いやいや、いい加減に落ち着け僕……。


「わかりました……では、後ろを向いてください」


「わかったわ」


 僕は軽く深呼吸してから、マリアナさんに向き合うとそう言った。


 ……アイネさんの身体の変化の件もあって、本当は止めたほうが良いのかもしれない。

 でもアイネさんは直接僕の……を受け入れたからで、輝光力を注いだだけではそう影響もないだろう。多分。きっと。


「よ、よろしくね……ルナちゃん」


 あと、これは訓練だ。


 お姉ちゃんぶりながらもなんだかんだ恥ずかしそうにしているマリアナさんが、僕が密着しやすいようにその空色の長髪を前側に回して……しっとりと汗ばんだうなじが色っぽくても、女の子の香りが強くなっても、これは訓練だから気にしてはいけないんだ……!


「で、では……失礼しますね」


「あっ……う、うん。お願いね」


 マリアナさんの背中に寄り添ってから、右胸の心結晶の位置が合うようにしてその密着度を上げていき……背後から抱きしめるような格好になる。


『~~! ――――!!』


「行きます……私が動かす力を、感じ取ってください……」


 僕らの様子を見ていた外野が何かを言っている気がするけれども、今回は特に集中がいる作業だ……僕はその声を意識の外に追いやって、自分の心結晶から感覚をマリアナさんの中へ拡大させていくように輝光力を広げていく。


「んっ……!? き、きたぁっ……ルナちゃんが、来たのがわかるわっ……んんっ……!」


 そっと手を伸ばすように……彼女の心結晶を包むように浸透させていくと、やはりというか……マリアナさんは何かに耐えるように身体をビクつかせながらも、僕(の力)を受け入れてくれている。


「ふぁぁっ……ルナちゃん、優しいわっ……あったかいのに、包まれてっ……」


「え、ええ……今から、私が代わりに輝光力を引き出します。よく、感じ取ってください……」


 そう言ってから、僕は彼女の普通の人より大きな心結晶に……彼女の水色の輝光力に、自分の白を混ぜ込んでいく。



「ぁっ、ぁぁっ……ルナちゃんが、私の奥までっ……んぁぁっ、入って……! かっ、感じるわっ……!」


 マリアナさんはその大きな胸の形が変わるほどに右胸を握るようにしながら、肩越しに覗き込んだ僕に向かって潤んだ瞳と半開きになってしまっている口を隠すこともなく、何度も頷いて見せた。


 僕はつい反射的に、指が沈み込むようになっているそこに目が引き寄せられるけれど……それは無意識で身体が行ったことで、意識はマリアナさんの内側に向いていた。


 僕の力を丁寧に混ぜ込んだことで、ある程度制御できるようになったマリアナさんの輝光力を……ゆっくり、引き出していく……。


「ぁぁんっ、んんぁっ……!? で、でちゃうっ……何か、でちゃうわっ……!」


 他人に自分の体の中をいじられるというのはどんな感覚なのか……内側から力を少し移動させるごとに、その身体が跳ねて、それに合わせて大きな胸もふるふると震えた。


「そうです、これが……私とマリアナさんの……です。これだけの量が、マリアナさんの【輝光砲】に必要な最低限の力です。分かりますか……?」


「んんぅっ……はぁっ……え、ええっ……だいじょぶ、よっ……ぁんっ、わかるわっ……!」


 もう隠しきれないほどの荒い吐息混じりの嬌声を上げながらも、ちゃんと感じ取れてはいるようだ。

 何度も膝をこすり合わせていて……なぜだかマリアナさんから匂い立つ女の子の香りが強くなっていることは、努めて意識に入れないようにした。


 いやぁ、お姉ちゃんは汗っかきダナー。


「では、その感覚をもっと確かなものにするために、一度これは仕舞いますね……」


「はぁっ……はぁつ……ぇ、しまう……? んんんぅっ!? ま、またっ、入ってぇっ……ひゃぅぅんっ!?」


「この、量です」


「くぅぅんっ!? ぁんっ、ぁぁんっ……! また、出てっ……入ってぇっ……! ルナちゃんがっ、はぁっ……熱いのがぁっ……! 出たり入ったりしてるわぁっ……!」


 入れてはビクンッ、出してはビクンビクンッと跳ねる、マリアナさんの肢体。


「では次は、この量の力で、【輝光砲】を使ってみましょう。ええと、空に向かって放ってください。私も手伝いますので」


 膝に力が入らないらしいマリアナさんを支えながら、その腕を天に向けさせると、マリアナさんが輝光力を輝光路に流し込み、手のひらにそれを集めて術に変換するのを補佐する。


「わっ、んぁっ、わかったわ……! んんんぅっ!? ル、ルナちゃんがっ……私の中でっ……動いてっ……で、でるっ……んくぅぅぅぅーーーーっ!?」


 一際大きく身体を震わせながらも、マリアナさんは無事に【輝光砲】を構成して空に向かって撃ち放った。


 水色の輝光力に白い輝光力のスジが混ざったそれは、先程模擬戦で使われたものと威力は変わらないのにも関わらず、消費されている輝光力の量は少なく、密度が増したことで細くスマートになっていた。


 天に向かって突き進んだその光は、ドーンと大きな音を立てて花火のように綺麗な光を昼の空に広げている。


「はぁ……はぁ……で、できた……かしら……?」


 僕の腕の中でクタッとしているマリアナさんが、大きく息を吐きながら直ぐ側の僕の瞳を見上げてきた。


「ええ。あとは繰り返していきましょう」


 僕がそれに頷き反復を宣言すると、まるでひと仕事終えたかのように艶っぽく微笑むマリアナさんの表情が驚きに変わった。


「ま、まってルナちゃ――んんんぅっ!? また、でちゃうぅっ……んくぅぅぅぅーーーーっ!?」


 ――ヒュー……ドーン!


「まだまだ、いきますよ」


「あぁぁんっ、ちょ、ちょっと……ひゃぅんっ……! まってぇ……ひゃあぁぁぁぁっ!!」


 ――ヒュー……ドーン!

 ――ヒュー……ドーン!


「も、もぅっ……ダメぇっ、出ちゃってる、出ちゃってるわルナちゃぁぁんっ……!」


 ――ヒュー……ドーン!


 腕の中で人には見せられないような顔になっているマリアナお姉ちゃんが何かを言っているけれども、これが訓練である以上は僕は心を鬼にしなければならない。


 意識は全力でマリアナさんの中に向けているけれど……目が、マリアナさんの色々に向いてしまうのは許してほしい。


 そうして何度も……水色の光が打ち上がっては、空に花を咲かせていく。


「あ、あれは……まるで大怪魚(クジラ)の潮吹きのようッスね……」


 こ、こら外野っ。潮吹きとか言うなピンク娘っ。

 僕もそれを考えないようにしていたのにっ。


「ルナさん……ああなると止まらないから……ぅぅっ……」


 いやいやアイネさん?

 これは訓練であって、マリアナさんとそういうことをしているわけじゃないですからねっ?

 アイネさんが可愛すぎて止まらないときとは違いますからねっ?

 なにやら思い出してモジモジしないでくださいねっ?


「はぁっ……はぁっ……ルナちゃん……ぁんっ……もぅっ、ゆるしてぇっ……」


「……ハッ!? そ、そうですね。ここまでにしましょう」


 全身、目やら口やらピーやらから、汗やら色々な液体を垂れ流しにしているマリアナさんに……半分虚ろな目になりながら懇願するように言われて、僕は無心で彼女の力を引き出し続けていたことに気づき、マリアナさんのナカに向けていた意識と力を引っ込めた。


「ど、どうでしょう……? 感覚は、掴めたでしょうか? 試してみてもらえますか……?」


「えぇ……んっ、【輝光砲ぉ】……んんぅぅっ!」


 マリアナさんは今度は自分だけの感覚で力を引き出し、空に向けて純粋な水色の力を放った。

 僕はそれを良く『視て』……うん、大丈夫そうだ。


「お見事です。ちゃんとできていましたよ……どうかしましたか?」


 僕は干渉していないのに、力を使うときになぜか身体を震わせていたのは……まさか『クセになっちゃったぁ♡』とか言ったりしないよね……?


 それは男のワルい妄想ですよね……?


「うぅんっ……な、何でもないのよ……? ぁっ……ちょ、ちょっとあっちを向いていてくれるかしらっ?」


「わかりました……」


 僕が声をかけると我に返ったような驚き方をしたマリアナさんは、次に自分の状態に気がついたのか僕に他所を向くように言うと……ゴソゴソと、身だしなみを整えるような音が背後からしている。


 ……訓練としては、結果ヨシ!としたいところだけれども……。


「(ぅぅっ、わたしっ……ルナちゃんに――されちゃったわ……でも、やっぱりよかったかも……)」


 小声で聞こえてきたマリアナさんの恥ずかしそうな声に、そしてその内容にやられ、また僕は……『溜まって』しまう回数を増やすことになるのだった……。







――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがき

お読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「性癖に刺さった(刺さりそう)」「おもしろかった」「続きはよ」と思っていただけたのでしたら、「フォロー」「レビュー評価★」をよろしくお願いいたします。

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次回、「この気持ちが恋だとしても~恩とは鎖か、それとも翼か~」

そろそろエンジンをかけていきましょう。

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