067.アノ日~らぶぱわー~
*****
「んっ、はぁっ……なるべく、優しくしますから……」
組み敷いた形になっているアイネさんの唇から離れ、僕はそう言ってから身体の中で暴れる衝動を押さえつけながら、そっとアイネさんに触れていく。
「ふぁっ……ぁっ……ん、んんっ……」
僕が破いてしまったブラウスの下にあったブラもズラしてしまい、アイネさんの綺麗な形の胸が押さえを失ってふるふると震えた。
優しく、優しく……と自分に言い聞かせそれを手に収めると、アイネさんの口からほのかに快感が混ざった柔らかい嬌声が漏れ始めた。
「んんっ、ふっ……んぅっ……はぁっ、ぁっ……!」
僕がジッパーを下ろしてスカートに手をかければ、アイネさんは腰を浮かして脱がせるのを助けてくれた。
それが僕の行為を受け入れてくれているようで嬉しくて、この先のことを考えてアイネさんの負担を少しでも減らせるように……ちゃんと感じてもらえるように、僕はショーツの上からその場所にも手を伸ばし、上下で入念な愛撫を始めた。
「ひゃぅんっ!? あっ……ぁぁんっ! んっ、んぁっ……!」
とたんにアイネさんの瞳が蕩け、僕の手や口の動きに合わせてその口からは快感を表す声がとめどなく溢れ出した。
「あぁんっ、あぁっ……ぁっ……ひぅっ、くぅんっ……ぁっ、んちゅっ……ちゅっ、ちゅぷっ……!」
キスも、胸も、アソコも……僕が触れられる全てでアイネさんを優しく攻め立てるたびに、アイネさんの身体はビクビクと跳ね、上り詰めていく。
そして、目だけでなく顔全体を蕩けさせ、僕の目を見ながら……。
「んむぅぅっ、んぅっ……!? ぷはっ、あっぁ、ぁぁっ……ダメッ、わたしっ……ぁっぁっぁ、ぁぁっ……んうぅぅぅぅーーーーーっ!!」
背を弓なりに逸らせて一際大きく身体を震わせて、アイネさんは一度目の絶頂を迎えた。
「……んぅっ、んはっ……ちゅっ……はぁっ……ぁっ……」
くたっと身体を弛緩させて息を整えるアイネさんに軽くキスをして、僕はいよいよその時を迎えるべく身体の位置を変え、仰向けのアイネさんの足の間に入った。
それを見たアイネさんが僕の首に手を回して引き寄せられると、僕らは鼻先が触れ合うような距離で見つめ合うことになる。
「アイネさん……いい、ですか……?」
僕はそこに添えたモノでたっぷりの湿り気を感じながら、いよいよその時を迎えるために問いかけた。
アイネさんはその触れ合う感覚とこれから訪れるであろう痛みを想像したのか、身体をこわばらせて回した腕に力を入れながらも……。
「はぁっ……はぁ……ユエさん……」
それでも、コクリと……頬を紅潮させ荒い息を吐きながら、目を見て肯いてくれた。
「いきます……」
好きな人と、自分の意志で、身も心も結ばれる。
それはなんて幸せなことなのだろうと頭のどこかで感じながら、僕自身を沈めていった。
「くぅっ!? んくっ、んぅっ……!」
アイネさんの初めての痛みの声が堪えきれずに漏れ出し、その腕が回された僕の背にも痛みが奔る。
「アイネさん……」
「だぃ、じょ……ぶよ……そのままっ……くぅっ……!」
思わず止めてしまったが、アイネさんは目の端に涙を浮かべながら……苦悶の表情の中にぎこちなく微笑みを浮かべて、先を促してくれた。
僕は押し寄せる快感で逸ってしまいそうになる心を押さえつけてゆっくりと進み……その時を迎える。
「くっ……ぁぁあああぁぁっ――――!?」
ブツンと何かを突き抜けるような感覚がして、僕たちは今まさに、完全にひとつになった。
「アイネさん……僕らはいま、ひとつになりましたよ……」
繋がったまま、男の僕では想像もつかないであろう痛みに耐えるアイネさんを抱きしめ、痛みよ飛んでけとばかりにその髪を撫でた。
「……っ……ぃ、たぃ……こんなに、痛いなんてっ……でも、私の中にユエさんを……っ……感じられて、幸せよ……」
涙をこぼしながら、言葉の通り幸せそうに微笑んだ彼女の綺麗な顔を、僕は生涯忘れることがないだろう。
「僕も……アイネさんに包まれているようで……幸せです……」
そして、やっぱりこの人と結ばれることが出来て良かったと、心の底から再認識することができた。
しばらくそうして抱き合いながら、お互いに幸せを噛み締めていたのだけれど……。
「ぁっ、んっ……ユエさんが……大きくなったわ……? もしかして、辛いの……?」
「ぅ……」
男というのは、なんとも勝手な生き物のようで……繋がっているだけで心はこれ以上なく充足していくというのに、身体の方は一部が『もっと』と激しく自己主張をしていた。
「その……はい。もっとアイネさんを感じたいです……」
「そ、そう……よね。殿方は……ここからだって、本でも見たことがあるわ……」
……アイネさんの部屋の本棚は、今度徹底的にチェックする必要がありそうだ。
「でもアイネさんが辛いなら――――んんっ!?」
まだ痛みの色が色濃く残るアイネさんの表情を見て、僕がそう口にすると……その口は、アイネさんによって塞がれてしまった。
「ちゅっ……ん、んくっ……んぁっ……!」
「んっ、ぁぁっ……!?」
そして、まだ声に辛そうな色が残っていながらも、アイネさんの方からぎこちなく腰を揺らしてきて……僕は頭の先まで突き抜けるような快感に思わず情けない声を漏らしてしまった。
「んくっ……わ、わたし、はぁっ……はぁ……大丈夫だから……」
全然大丈夫そうじゃないのに、僕を想って自分から先を促してくれるアイネさんに、僕は胸が一杯になり……。
「ユエさんの辛さを、苦しみを――――私に、ちょうだい……?」
――その言葉で、完全に僕の想いは溢れ出してしまった。
「ぁぁっ……アイネさんっ……!」
「ひゃんっ、んくっ……っぅ……んぁぁっ……! ユエさんっ、あぁんっ……!」
ギュッと抱きしめ合いながら、僕は溢れ出した想いをアイネさんにぶつけ、アイネさんはそれを受け止めてくれる。
「ぁぁっ、んぁっ……ぁぁっ、ぁんっ……! ユエさんっ……! これっ……ひぅ、ひゃぁんっ……すごぃっ……!」
夢中になってぶつけていると、アイネさんの声から痛みの色が消え、甘い色で満たされ始める。
ぶつけ合うトコロからも、耳元で上がるアイネさんの甘い声も、触れ合った全てから僕の頭に恐ろしいほどの快感が押し寄せ、白く染め上げていく。
「ぁぁんっ、あんっ、ゃんっ……! んっ、んんっ……ぁぁんっ……! んちゅっ、ちゅっ、レロッ……んむぅっ……! んんぅっ……ぷはっ……! あんっ……!」
上からも下からも……深く繋がった僕たちの間で生々しい音がアイネさんの嬌声に混じって部屋に響く。
「んんっ、あぁんっ、ぁっ……ふ、ふふっ……ユエさん、可愛いっ……ぁんっ……かお、してるわっ……きもちいいのっ……? ぁんっ……!?」
「えぇっ……はぁはぁっ……ええとてもっ……! アッ、アイネさんだって……とっても良さそうですよっ……?」
完全に『トロトロ』になってしまっているアイネさんの顔を見ながらそう言うと、僕の動きにひとつひとつ反応を返してくれているアイネさんは頬の赤みを強くしながらも、目で微笑んでくれた。
「やんっ……やぁんっ……! だってっ……だってぇっ……! ユエさんがっ、こんなにっ、私をっ、求めてくれてぇっ……嬉しいんですものっ……あぁんっ!? またっ、大きくぅっ……!?」
「くぅっ……!」
アイネさんが僕にとっても嬉しいことを言ってくれて、溢れすぎた想いはもう限界だった。
「ぁぁぁんっ、あんんっ、あっ、あっ……んぅぅっ……ぁんっ……! ユ、ユエさぁんっ……ユエさんっ……ひゃぁぁんっ、わっ、私っ、もうっ……!」
それはアイネさんも同じようで――
「アイネさんっ、アイネさんっ……! あぁっ――――!!」
「あっあっあぁっ……ゃああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ……!」
僕らは同時に、最後の瞬間を迎えるのだった……。
「ぁっ……くぅっ……ハァ……はぁ……アイネ、さん……」
僕が欲望をアイネさんの中に吐き出し、頭の中で白く弾けるめまいにも似た快感に耐えていると、アイネさんもビクビクと身体を震わせながらそれを受け止めてくれた。
「……はぁっ……んっ……ユエさん……ちゅっ……」
視線を交わした僕らは自然とそのままキスをして……。
「愛しています……アイネさん……」
「私もよ……ユエさん……」
そう、微笑みあったのだった。
*****
――と、物語なら幸せなキスをして終了……となったであろう……数時間後。
「あんっ、ああんっ、ひゃぁぁんっ……! ユエさんっ、わたしっ、ぁんっ……!? もう、ダメッ……らめぇっ……! ぁぁああんっ! もう、イってるからぁっ……! もぅ、ヘトヘト、よぉっ……! ちょっと、ちょっとでいいからぁっ……休ませてぇっ……ひゃぅんっ、あぁんっ……!」
「アイネさんっ……可愛いですよ、アイネさんっ……!」
……僕の『溜まり』に『溜まった』欲望はとどまるところを知らず、物理的に考えても僕の身体のどこにそんな量が……と思えるほど溢れ続け吐き出し続け……アイネさんをトロトロでベトベトでヘトヘトにしてもなお、最愛の人を求め続けるのだった……。
――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき
ユエくん「オレの背中に引っかき傷を作らせてやるよ」(言ってないシリーズ)
お読みいただき、ありがとうございます。
少しでも「性癖に刺さった(刺さりそう)」「おもしろかった」「続きはよ」と思っていただけたのでしたら、「フォロー」「レビュー評価★」をよろしくお願いいたします。
皆様からいただく応援が筆者の励みと活力になります!
次回、第二章最終話
「また、朝を迎えて~ふたりだけの朝風呂~」
そして2人は新たな日常へ――
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