第104話 レベルアップ

2030年8月6日


 俺は1人早く起きてしまったので、昨日来た道を少し戻り、コボルトキングとオークジェネラルを倒すことにした。


 やはりオークジェネラルのHPと耐久値が高いので、すぐには倒せないが全く苦戦することは無かった。


 そしてようやくレベルが21に上がった。


【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】21

【HP】58/58

【MP】7800/7821

【筋力】55

【敏捷】55

【魔力】73

【器用】54

【耐久】51

【運】30


【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv9)

【固有能力】雷魔法(Lv7/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv3/E)

【特殊能力】水魔法(Lv2/G)

【特殊能力】土魔法(Lv3/E)

【特殊能力】風魔法(Lv9/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv7/B)


【装備】雷鳴剣

【装備】火精霊の剣サラマンダーソード

【装備】偽装の腕輪


 神聖魔法がレベル7に上がり、称号【聖者】を獲得していた。


【聖者】神聖魔法の効果UP。神聖魔法の消費MP微軽減。


 クラリスの【聖女】の方が明らかに優秀な気がするが……ただ俺の【聖者】は神聖魔法全般に効果があるらしい。【聖女】は回復魔法だけだからどっちが優秀とは言えないかもしれないが……


 また念願の剣術レベルが9に上がった。【剣王】の称号が欲しかったが、やはりまだ取得は出来ないようだ。まぁ剣士はこの世にごまんといるから仕方ない。


 そして目の前にはまた宝箱があった。


 さすがに俺も湧き部屋の宝箱を抜かしてこんなに出たことが無いから驚いた。



【名前】炎の鞭

【攻撃】12

【価値】C

【詳細】鞭に火魔法を付与エンチャントすることができる。


 これ系統の武器が一番欲しかった。え? カレンに鞭でシバかれたいのかって? 確かにカレンに装備してもらうつもりなのだがあいにく俺にはそんな趣味は無い。


 魔法使いはMPを節約すると攻撃手段が無くなってしまう。しかもカレンはいざという時に魔眼を使うので人一倍MP管理に気を遣う。だから通常攻撃できる装備が欲しかったのだ。まだカレンは鞭術のレベルが0で筋力もかなり低いが、まだ俺たちは若い。今から使っていけば必ず将来役に立つ。



 安全地帯に戻るとまだみんな寝ていた。まぁ起きるのにあと2時間はかかるだろう。



 俺は今来た方の通路を土魔法で埋めて少し様子見をしようと深部へ向かうと、安全地帯から通路を抜けて次の部屋に行くと大きな部屋があり、そこにはオークジェネラルが30体もいた。


 そして黒い魔力だまりが30か所に渦を巻いている。湧き部屋だ!そして出てくる敵はオークジェネラル! これは最高の稼ぎ場だ! こんなに弱い脅威度C-はいないだろう。


 俺は嬉しくなってオークジェネラルを狩りまくった。


 倒すのに時間が掛かる分、倒しても倒してもオークジェネラルが出現するような感覚だった。ただこの部屋の湧き部屋は1人で早く倒しても宝箱は出なかった。


 ある程度オークジェネラルを倒してから、俺は安全地帯に戻った。みんなが起きる前に朝風呂をしようと思ったのだ。みんなが起きて俺だけ魔物の匂いがしたら不快に思われるかもしれないからね。


 俺が朝風呂を終えるとちょうどみんなが起きてきた。


 朝は軽く携帯食で済ませると、俺はカレンに炎の鞭をプレゼントした。


「カレン。これを使ってくれ」


 俺がそう言ってカレンに渡すとカレンが


「マルス……そんな趣味があったのね……いいわ。私も嫌いじゃないから2人で燃え上がりましょう!」


 他3人は俺たちを白い目で見ている。


「……マルス……変態……でも好き……私も鞭使う……」


 エリーがそう言うと、クラリスは


「私はノーマルの方が好きだけど……どちらかと言うと私はされる方が……」


 ミーシャは意味があまり分かっていないらしく、ただ頷いている。


 みんな予想通りのリアクションとカミングアウトありがとう。


「カレン、そう言う意味ではないんだ。俺は人の才能を見抜く力がある。カレンには鞭術の才能がある。カレンは魔法使いでMPを管理しないといけないから、どうしてもここ一番という時にしか魔法を使えない。だから通常時にはこの鞭を使って魔物にダメージを与えてくれ。いますぐに慣れろとは言わないが、きっとカレンの役に立つから」


「……そう言う事ね……マルスの事だからてっきり……」


 俺の事だからてっきりって……俺が今まで何をしたって言うんだ……それに鞭術の才能は鑑定の儀でも言われていると思うのだが……もしかしたら後天的か?


「この先にはオークジェネラル30匹の湧き部屋がある。そこでしばらくはレベル上げをしたいと思う。こんな機会はもうないかもしれないからみんな頑張って狩りまくろう!」


「「「「おおおぉぉぉーーー!!!」」」」


 ちなみに現在のみんなのステータスはというと


【名前】クラリス・ランパード

【称号】聖女

【身分】人族・ランパード子爵家長女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】26

【HP】54/54

【MP】1410/1410

【筋力】41

【敏捷】40

【魔力】46

【器用】45

【耐久】39

【運】20


【固有能力】結界魔法(Lv4/A)

【特殊能力】剣術(Lv5/C)

【特殊能力】弓術(Lv8/B)

【特殊能力】水魔法(Lv3/F)

【特殊能力】風魔法(Lv2/G)

【特殊能力】神聖魔法(Lv7/A)


【装備】ディフェンダー

【装備】魔法の弓マジックアロー

【装備】聖女の法衣セイントローブ

【装備】神秘の足輪ミステリアスアンクレット

【装備】偽装の腕輪



【名前】エリー・レオ

【称号】-

【身分】獣人族(獅子族)・レオ準女爵家当主

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】21

【HP】66/66

【MP】48/48

【筋力】45

【敏捷】56

【魔力】12

【器用】12

【耐久】37

【運】10

【固有能力】音魔法(Lv1/C)

【特殊能力】体術(Lv6/B)

【特殊能力】短剣術(Lv6/C)

【特殊能力】風魔法(Lv1/G)


【装備】ミスリル銀の短剣

【装備】風の短剣シルフダガー

【装備】風のマント

【装備】風のブーツ


【名前】カレン・リオネル

【称号】-

【身分】人族・フレスバルド公爵家次女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】26

【HP】30/30

【MP】378/378

【筋力】13

【敏捷】18

【魔力】50

【器用】18

【耐久】12

【運】1

【特殊能力】魔眼(LvMAX)

【特殊能力】鞭術(Lv0/B)

【特殊能力】火魔法(Lv7/B)


【装備】火精霊の杖サラマンダーロッド

【装備】炎の鞭

【装備】火精霊の法衣サラマンダーロープ



【名前】ミーシャ・フェブラント

【称号】-

【身分】妖精族エルフ・フェブラント女爵長女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】16

【HP】27/27

【MP】122/122

【筋力】25

【敏捷】30

【魔力】26

【器用】25

【耐久】15

【運】5

【特殊能力】槍術(Lv6/B)

【特殊能力】水魔法(Lv3/C)

【特殊能力】風魔法(Lv4/D)


【装備】風精霊の槍シルフランス

【装備】幻影のローブ


 エリーとミーシャのレベルが25以上になるまでは頑張りたいが……リスター帝国学校へ帰る時間も考慮しないといけない。


 当然メサリウス領に戻って報告したりする時間も必要だ……せいぜいここに居られるのは10日間といったところか……



 俺たちは湧き部屋に着くとオークジェネラルを狩りまくった。


 さすがに5人で戦うとなるといくらオークジェネラルのHPと耐久値が高くてもすぐに倒してしまう。


「鞭ってこんなに気持ちがいいものだとは思わなかったわ!」


 え? 気持ちがいい? やはりカレンは何か別の才能があるらしい。


「さすがに5人で倒すのは効率が悪い気がするわね。マルス少し先の部屋の様子を見てこない? ここは私が責任をもって頑張るから」


 クラリスも俺と同じ意見だったようだ。


「ああ。俺もクラリスと同じことを考えていた。じゃあここは任せるよ。俺は少し先に進んでみる」


 3層も2層と同じでずっと一本道だった。


 出てくる敵はオークジェネラルとコボルトキングだけで、奥に進むにつれてコボルトキングの割合が増えていく。


 そして4層へと通じる部屋に辿り着くとその部屋はコボルトキングの湧き部屋だった。


 20体ほどコボルトキングがおり、そして魔力だまりも20か所。


 これは本当においしい。



 俺は一旦クラリスたちの所に戻って先にあるコボルトキングの湧き部屋に一緒に行き、俺は当分ここで狩りをしていると伝えた。


 誰がどこで何をしているかが分からないと不安になるでしょ?



 こうして俺はずっとコボルトキングの湧き部屋で他の女子たちはオークジェネラルの湧き部屋で1週間狩りを続けた。


 その結果俺たちのレベルは爆上がりした。


【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】25

【HP】66/66

【MP】7840/7840

【筋力】63

【敏捷】63

【魔力】81

【器用】61

【耐久】56

【運】30


【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv9)

【固有能力】雷魔法(Lv8/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv3/E)

【特殊能力】水魔法(Lv2/G)

【特殊能力】土魔法(Lv4/D)

【特殊能力】風魔法(Lv9/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv7/B)


【装備】雷鳴剣

【装備】火精霊の剣サラマンダーソード

【装備】偽装の腕輪



 俺は普段あまり使えない雷魔法を中心に戦った。


 まぁ消費MPが高すぎるので他の魔法よりは使っていないが才能がSということもありレベルが8まで上がった。


 そして土魔法の才能がDに上がってレベルも4になっていた。


 やはり俺は才能が上がるらしい。



【名前】クラリス・ランパード

【称号】聖女

【身分】人族・ランパード子爵家長女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】31

【HP】64/64

【MP】1427/1427

【筋力】47

【敏捷】46

【魔力】54

【器用】53

【耐久】44

【運】20


【固有能力】結界魔法(Lv4/A)

【特殊能力】剣術(Lv5/C)

【特殊能力】弓術Lv8/B)

【特殊能力】水魔法(Lv3/F)

【特殊能力】風魔法(Lv3/F)

【特殊能力】神聖魔法(Lv7/A)


【装備】ディフェンダー

【装備】魔法の弓マジックアロー

【装備】聖女の法衣セイントローブ

【装備】神秘の足輪ミステリアスアンクレット

【装備】偽装の腕輪



 クラリスは相変わらず万能だ。


 そして黎明で一番レベルが高い。


 風魔法のレベルも上がり魔法の弓の威力と精度も上がっている。



【名前】エリー・レオ

【称号】-

【身分】獣人族(獅子族)・レオ準女爵家当主

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】27

【HP】75/75

【MP】58/58

【筋力】55

【敏捷】68

【魔力】15

【器用】16

【耐久】45

【運】10

【固有能力】音魔法(Lv1/C)

【特殊能力】体術(Lv6/B)

【特殊能力】短剣術(Lv7/C)

【特殊能力】風魔法(Lv2/G)


【装備】ミスリル銀の短剣

【装備】風の短剣シルフダガー

【装備】風のマント

【装備】風のブーツ



 黎明で一番の敏捷値を生かした攻撃を得意とするエリーは、黎明の斥候役と回避盾も担っている。


 短剣術と風魔法のレベルも上がり、風のブーツで空を駆ける姿は敵も味方も魅了する。



【名前】カレン・リオネル

【称号】-

【身分】人族・フレスバルド公爵家次女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】29

【HP】33/33

【MP】392/392

【筋力】18

【敏捷】21

【魔力】55

【器用】22

【耐久】15

【運】1

【特殊能力】魔眼(LvMAX)

【特殊能力】鞭術(Lv2/B)

【特殊能力】火魔法(Lv7/B)


【装備】火精霊の杖サラマンダーロッド

【装備】炎の鞭

【装備】火精霊の法衣サラマンダーロープ



 今回ある意味一番変わったのがカレンだ。狂気の笑みで鞭を振り回す様は敵味方問わず恐怖に陥れる。俺はとんでもないものをプレゼントしてしまったのかもしれない。もう火精霊の杖サラマンダーロッドの存在なんて無いようなものだ。


 ただあまり筋力値が高くないから敵を倒せていない。だから今回一番レベルが上がらなかったのはカレンだ。本人はそんなことまったく気にしていないが……



【名前】ミーシャ・フェブラント

【称号】-

【身分】妖精族エルフ・フェブラント女爵長女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】24

【HP】40/40

【MP】138/138

【筋力】34

【敏捷】42

【魔力】35

【器用】36

【耐久】20

【運】5

【特殊能力】槍術(Lv7/B)

【特殊能力】水魔法(Lv3/C)

【特殊能力】風魔法(Lv5/D)


【装備】風精霊の槍シルフランス

【装備】幻影のローブ



 間違いなく一番強くなったのはミーシャだ。


 もしかしたらリスター帝国学校1年生の序列が大きく変わるかもしれない。


 ミーシャはエリーと違い敵に認識されないように、戦うスタイルだ。【幻影】のガスターのスタイルによく似ている。


「よし! この一週間みんなよく頑張った。明日からは4層に向かおうと思う。滞在できる日数も残りわずかだ。あともう少し頑張ろう!」


 その夜俺たちは焼いたオークジェネラルの肉をかじりながら久しぶりにみんなで一緒に夜を過ごした。

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