第4話

 人類未踏の地たる北に存在する険しい高山帯。

 氷に閉ざされた北の高山帯に存在する唯一の火山。

 古き龍が守護するその火山へと僕は来ていた。


『ガァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!』


「うるせぇよ」

 

 天空を滑るように滑空し、僕へと業火を放つ古き龍。

 防御魔法で業火を防ぎきり、お返しに数々の魔法をぶつけていく。

 古き龍の体を覆っている鱗は魔法に対して強い抵抗があり、簡単にぶち抜かしてくれない。

 

「さっさと堕ちろ」

 

 僕は呪術の一つを発動させ、一度古き龍の動きを止めてから魔法の数々をぶつけていく。


『ガァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!』

 

 魔法の数々で地面へと無理やり押し付け、動きを止めさせる。


「さようなら」

 

 鱗に攻撃を続け、ボコボコにした後。

 その首へと特大の魔法を打ち込み、ふっ飛ばす。


「ふー」

 

 古き龍を相手に完封勝ちした僕はほっと一息つく。

 己の身を削る呪術の数々を使わせられることがなくて、良かった。

 こんなところで手札の数々を使わされるわけにはいかないし。


「ふんふんふーん」

 

 僕は古き龍の居なくなった火山の中へと入っていく。

 ここにあるのはかつての邪神が暮らしていた場所。そこを調査するために僕はわざわざ人畜無害な龍を殺してまでここに来たのである。

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