第3話

 ゲームにおいて。

 ラスボスとしてゲームに立ちふさがる敵は二人。

 一人は魔王様。

 そして、もうひとりは……幼き頃の魔王様に、魔王となるように強制したとある邪神である。

 

 勇者であるレミアには魔王を倒すか、融和の道を進むかの二択が存在し、邪神は魔王と融和の道を進んだときのみラスボスとして登場する。

 

 邪神にとって魔王は己にとっての絶対的な配下。

 魔王がこの世界に存在し、己に忠誠を使っていれば、邪神の力が増幅されるのである。

 であるからこそ、邪神は必ず魔王を強引にも作り出し、己に無理やり忠誠を誓わせるのである。

 

 そして、邪神にとってレミアと融和し、人類側に立った魔王は決して許せない存在である。

 邪神の対極の存在に位置する聖神は人類の守護者であり、魔王が人類側に立つことがあれば、魔王は聖神への庇護下に入り、邪神へと力が入らなくなってしまう。

 たとえ当人が邪神へと忠誠を誓っていたとしても。

 

 であるからこそ、魔王が融和の道に進んだ場合は邪神が敵として立つこととなり……そして、どんな選択をを取ろうとも確実に邪神の手によって殺されてしまうのである。魔王様は。


「ふー」

 

 だからこそ、僕は邪神を倒せなくてはいけない。

 魔王様は元々人間であり、魔王として人間を殺すという行為に対して拒否感を抱いており、邪神の手によって都合の良い駒として生きている魔王様は憎悪の対象である。

 邪神がいる限り、魔王様が幸せになることはないだろう。

 だからこそ、僕は必ず邪神を妥当しなくてはならない。


「アルファ。今のところどこまで情報を精査できている?」


「頂いた情報のほとんどを。……しかし、最も重要であると言われた最期の部分が少し……」


「なるほど。理解した。では、その調査には直接僕が出向こう。その方が恐らく良いだろう」


「承知致しました」

 

 僕の持つ邪神の情報はあやふやなことが多い。

 確実な勝利を手にするために……情報を集めねば。

 結局この世の中に置いて勝利を決定づけるのは才能と情報なのだから。

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