第24話

 僕がギーアをサクッと倒した頃。


「ぅ……あ」


「ぅ……」


「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

 化け物へと堕ちた怪物の手によってレミアもアレナも地面へと転がされているようだった。

 既にアレナは気を失っているようだった。


「く、くそ……ッ!」


 そんな二人を見て高笑いを浮かべる怪物に対抗するようにゆっくりとレミアは立ち上がり、怪物を全力で睨みつける。

 

 だが、既に限界が近いことは目に見えていた。

 まぁ、それも当然だろう。いくら勇者と言っても未だ未覚醒。そんなに一瞬で成長してクソ強くなるわけじゃない。

 

 ……覚醒して一瞬で強くなったりすることもあるから迂闊に手を出さないんだけどね。

 見た感じまだレミアは覚醒しているようには見えなかった。


「ムダァァァ!!!ヘイミンガァ!!!ミノホドヲシレィ!!!」

 

 そんなレミアを睨みつけ、怪物は笑い……そして、気絶しているアレナへとその視線を向ける。


「へイミンハタダタダゥバレテイレバヨイノダァッ!!!」


「なっ!?」

 

 怪物の足が伸び、アレナの頭を踏み抜いた。


「……ッ!?!?」


 僕はそれを見て息を呑み、そちらの方へと向かおうと伸ばしていた足をピタリと止めてしまう。


「……」

 

 流れるアレナの血。

 それを見てレミアが硬直する。


「あっ……あっ……あっ……」

 

 レミアの体が震え……徐々にレミアの内部の魔力が膨れ上がっていく。


「……貴様ァ」

 

「……ッ!ナ、ナンダァッ!?」

 

 レミアの体がドクンッ!と跳ね上がり、辺り一帯を歪ませるほどの膨大な魔力を撒き散らし始める。

 そして、レミアの手元が光……その手に光り輝く一つの剣が握られる。 

 レミアの手に握られている一つの剣。それはゲームで嫌というほど見た聖剣であった。


 そんな時だった。


「……ぁ?」

 

 突如として轟いた一筋の光がレミアの体を貫く。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!?」

 

 レミアの絶叫がこの場に響き渡る。

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