魔王の下には四天王がいて、それがまた超強い――というのがよくあるお話だと思う。
が、こちらの作品は強敵が尋常じゃないほどいる。味方も敵もチームでさえ、それぞれにきちんと【格】が作られており、しっかり世界に息づいている。もう見上げれば見上げる程いるのだ。上の存在が。
これは、それに相対する一般人異世界転移主人公、ユウの成長物語だ。
身体的にも精神的にも未熟だった彼が、出会いと別れ、戦いを経て成長していく。彼自身にチートはないが、彼の中に眠る存在はチートである。縛りは課されているもののその存在がまたとても良く、読み進めていくうちに愛着がわいてこちらも相棒のように思えてくる描き方が素晴らしかった。
個人的に後半の章で出てくる師匠が最推しです。ニヤニヤ案件まで盛り込まれていて! ファンとして有難い限り!
四章74までの読了現在、一番初めに張られた伏線を見事に回収した上でさらなる強大な敵に立ち向かうユウ達の今後が気になります。
ところでめちゃくちゃ魅力的なヒロインが多いですが、一体お相手は誰になるんですか作者さん!
いつものバイト・・・の延長戦後。
待ち合わせの場所へと急ぐが工事中の看板に阻まれ違うルートを辿り、定番過ぎて読者によっては欠伸が出てしまうであろう・・・・・・例の『トラックによる轢死体への調理加工&謎の女神が与えた糞チートの活用法及び愉快な異世界生活の説明会』は始まらず、冷たい水底へと弾き飛ばされる。
奇妙な力を与えられることも無く、現代世界と同じなのは口から吐き出す言葉だけ。サバイバル術など知る筈も無い子供にはいきなりクライマックスの環境。
微妙に現実的な世界でとりあえず今日も生き抜く少年の冒険活劇!
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以下、感想です(一章読了)
面白いと思います。
冷静に考えたら笑っていられる状況では無いのも、主人公が子供であるが故の楽天的な視線で感じさせない様な奇妙なバランス感に工夫を感じます。
個人的には長文タ・・・(ry)コホン。
続きが楽しみです(o゚▽゚)
異世界転移ではある。けれどこれはチートだとかハーレムだとか、そういったものではない。言ってしまえばハードな世界で、自らの足で進み努力しなければ何も変えられはしない世界、というものだろう。
だから主人公は歩くしかない。努力して成長していくしかない。自分の道を自分で切り開くしかないのがこの世界だ。
伏線は多く、謎めいてる。徐々に明かされつつもまた謎が増え、それらがすべて明かされた時にこの世界はどう様変わりするのだろうか。
血を流してでも、どんな傷を追ってでも、心の傷と向き合ってでも、人は生きていく。主人公のみならず、登場人物の誰もがそうして生きようとしている。それぞれに思惑もあり、巻き込まれ、行き着く先はどうなるのだろう。
決して軽いものではない。読み応えのあるハードな異世界がここにある。ぜひご一読ください。
いつものようにバイトに勤しんでいた高校生の主人公。残業を済ませ遅くなった帰路を急ぐ、そんなとき。彼は怪しげな男とすれ違う──瞬間。昏倒させられ、次に目覚めた場所は“異世界”だった。
チート、魔法、美少女に恵まれて異世界生活! かと思いきや、待っていたのは過酷な奴隷生活。それでも同室の少女との関わり合いに救われながら過ごすこと数日。主人公含めた奴隷たちはとある組織に救われる。組織のリーダーである女性に乞われ、加入することになった主人公。しかし、リーダーの狙いは彼自身の中にある“もう1つの力(存在)”にあって。
描かれるのは主人公の成長と決意。守りたいもが増える中、彼はそれに見合った力を手にすることが出来るのか
一人称で読みやすい物語。主人公の設定がどちらかといえば落ちこぼれということもあり、最初は彼への同情という点から感情移入がしやすかったです。そのおかげで物語そのものにスッと入り込むことができ、描かれる“異世界”をすぐに堪能することができます。
また、特別な力を(素では)持っていないということもあり、どこか等身大の主人公には親しみを持つことができます。それが本作への興味に繋がり、ヒロイン(?)の少女との奴隷生活、そして彼女への主人公の想いに共感しやすい印象でした。
序盤──逃走・戦闘シーンも過不足なく描写されており、迫力もスピード感もあってハラハラドキドキさせられてしまいました。リーダーさんが見た主人公の“中の人”の魔法戦は特に、ファンタジーならではの魅力が詰まっていて胸熱です。
伏線多めということで、読み進めるに連れ物語の魅力が増して行きます。異世界に転生して全てを失いながら手にする“仲間”。視線をくぐり抜けて深まる絆。
そして、挑む高難度の依頼。危機を前にした主人公が気づくのは、地球にいた時には感じることのなかった本当の想い。丁寧に描かれる関係性の変化と成長こそが本作最大の魅力でしょう。
噛むほどに味が出る、深い味わいのある作品。即時的な刺激ではなく、長く物語を楽しむことができる人には特におすすめしたい作品。張り巡らされた“謎”を縁に歩く王道を主人公と歩んでみませんか…?