目が見えない彼と声が出せない彼女の空白の八年間が埋まる時。

二十歳病――。
症状は人によって様々だが、二十歳になると治る奇病。

二十歳病で目が見えなくなった男の子と、声が出せなくなった女の子のお話です。
二人は十二歳の頃に発病しました。ある日突然、男の子の世界からその女の子は消えてしまったのです。

二十歳になって声が出せるようになってからの、八年前のあの朝に繋がった瞬間がぐっときました。

かずらくんの世界には、見えないけど杏ちゃんがずっといたのですね。