第74話 ダ〇ソンもビックリな吸引力

 そしてキースとマリアンヌは綺麗に、そしてゆっくりと食べており、逆にフレイムの一口は大きく、ダ〇ソンもビックリな吸引力で一気に食べ進めて行くのが見える。


 現役の冒険者は違うなと、むしろその食いっぷりが頼もしいく、そして流石ドラゴノイドだなと思ってしまう。


 因みにキースは『ローレンス様と一緒の席で食事をいただくのは恐れ多いです。 私は後で食べますから』とかほざくので『みんなで食べた方が美味いし、一人だけ一緒に食べれないと思うと気になって美味しい料理も不味くなるから』と半ば強引に食るよう説得した。


 あと、マリアンヌは普段から一口が小さく小動物を彷彿とさせるような食べ方(可愛い。 スマホがあれば動画を撮りまくっているレベルで可愛い)をしており、あれでもいつもより早く食べている方である(これはこれで一生懸命食べている姿が可愛い)。


 そんなこんなで全員今日の料理には満足してくれたみたいでほっと胸を撫でおろして晩御飯は食べ終わるのだが、食べ終わったと同時にダニエルさんと今日の料理のレシピについての取引を進めて行く。


 内容としてはダニエルさんの領地や経営している店でも広めたいみたいであり、お金を払うから使わせて欲しいとの事である。


 最初は俺とダニエルさんとの仲でもあるので金銭はいただけないと言ったのだが『親しき仲だからこそこういう場面はいい加減になりやすいからしっかりすべきところはしっかりするべきだ』と言われてしまっては受け取らざるをえないとこちらが折れて金銭をいただくのだが、その金額は新築の家が一件立てれるくらいの金額で、思わずダニエルさんを見てしまうと『これでも少ない程だし、この程度の金額ならばすぐに回収できるだろう』との事である。


 話を聞くとこのレシピの料理を帝都に出している貴族向けの飲食店で提供するのだそうだ。


 魚介類を使った天ぷらは無理でも野菜だけでも十分美味しい上にかき揚げやうどんもある上に原価も他の料理と比べて安いにも関わらずここでしか食べれない料理という希少性で売値が多少高くても売れるだろうと話してくれる。


 そしてレシピを教える者には外に漏れないように他言無用の制約をするようである。 


 こういう部分は前世よりも便利だなと思う。


 因みにここ帝国なのだが北側の隣国との国境付近にある山脈のお陰で水資源は豊富である。


 そしてマリアンヌを捨てた西側にあるカルドニア王国は逆に水資源は少ない代わりに夏になると蒸し暑い帝国と比べて過ごしやすい気候だったりする。


 しかしながらクヴィスト家がオーナーの飲食店というのも気になるので後日帝都に行った時にでも寄ってみようと思う。


 

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