第19話 俺は良い案が浮かんだ
そして、フレイムはこの街の一員として認められているという事なのだろう。
その事を裏付けるかのように既にフレイムの周りには子供たちが集まっており、俺を抱えて飛んできたことを見ていたのだろう。 自分達も抱えて飛んでとせがまれている。
「ど、どうしましょうご主人様?」
「さすがに
そしてフレイムは俺に助けを求めて来るのだが、自分の所の身内ならばいざ知らず流石に他所の子供に対して問題が起きたときに責任が取れないような事はしたくないし、させたくない。
また、もし何かあった場合自分にその責任を負わされるのならば分かるが、この場合は間違いなくお父様が責任を負う事になるのだ。
流石にこれでは『はい分かった』と子供達を抱えて飛んぶ事は許容できない。
その事を子供達にも分かりやすく説明するのだが、そこは子供である。
危ないから駄目だと言って引きさがってくれるような聞き分けの良い子供を見つけ出す方が難しい。
なんなら危ないから駄目だと言われる程やりたがるのが子供である。
更に俺を抱えて飛んできている所を目撃されている以上、子供達を説得させるのは至難の業、というか正にムリゲーなのでは? と一向に納得してくれない子供達を前に辟易してくる。
「ちょっとあなたっ!! さっきから聞いていれば何様なのかしらっ!! 聞けばこの領地を治める領主の息子だと言うではありませんかっ!! 領主の息子であるのならば民の言葉に耳を傾けないでどうしますのっ!?」
それもまだ子供達だけであるのならば『子供の言う事だから』と最終的に、適当にそれっぽい理由を作って半ば強引にあしらえば良いだけなのだが、この隣領地を治めている領主の娘という女の子がいるせいで余計に面倒くさい事になっていた。
因みにその女の子はそこそこ知恵が回るのか他の子供達と比べてまだ理屈が通っているような言葉で反論して来るのだが、その表情には『私にもこの大空を体験させなさいっ!! 貴方が『うん』と言うまで意地でも引いてあげるものですかっ!!』という感情が顔に出てしまっている。
しかしながらだからと言ってなまじ貴族の娘、しかも隣領地を治める貴族の娘とあってはここで変に断ったせいで親にあることない事吹き込まれてしまい間接的にお父様に迷惑をかけてしまうのでは? と思うと適当な理由であしらって良いものか? どうにか彼女を納得させる良い案はないものかと考えてしまう。
せっかくのフレイムのお祝いなのだ。
できれば今日一日何の問題も無く終わりたい。
そして俺は良い案が浮かんだのでそれを早速使う事にする。
「そうは言ってもフレイムは僕の奴隷で、そして奴隷契約でお父様が何かあっては責任が取れないから僕の身内しか抱えて飛ぶ事をできないように契約をしているんだ。 だからいくらお願いされても無理なものは無理なんだ。 ごめんなさいっ!」
これぞ作戦『奴隷契約で決められてるから仕方ないよね。 本当は僕も君たちの願いをかなえてあげたいんだけどなぁー。 いやぁごめんごめん』作戦である。
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