次の復讐は……
その日の夜、私たちはアレンから渡された資料に目を通していた。首領から告げられたのは「アレンがずっと調べていたサフズルの団員の名前だ。今から暗記しその後即刻取り掛かる。」との事。他の団員たちは渡された資料をじっと見つめ書かれている名前を見つめていた。
「ライ。この中からターゲットを選んでおけ」
「……分かりました。首領」
「俺が調べた限りサフズルは幹部連中が崩れれば下は一気に崩れる。」
「まずは……ジルコニウムの調停者……いえ。アルフィーから崩しましょう」
「ん〜でも理由は?私は別にいいけど……」
「……ニーナ。彼が恐らくこの復讐の1番の壁になりえる……彼がいる限りサフズルには私の情報が筒抜けなのも同然。なら少しでもその可能性を排除しておかないと」
「なるほど。なら決まりだ。次のターゲットはジルコニウムの調停者……いやアルフィーだ。」
首領のその一言で私達は頷きそれぞれの部屋へと入っていった。私も部屋へ戻ろうとした時あの日と同じように首領に呼び止められた。
「どうしました?首領」
「……大丈夫か」
「……えぇ。私は独りじゃないって分かりましたから。もう大丈夫です」
「ならいい。作戦決行日はお前が決めろ。俺たちを上手く使え」
「……分かりました。ではおやすみなさい首領」
「あぁおやすみ。ライ」
パタン。そう小さな音を立てて私は自分の部屋のドアを閉めた。ベッドに寝転がり目を閉じ私は小さくため息を吐いた。首領達が襲撃された日、アルフィーが告げてきた言葉を思い出した。
【この目がある限り災厄をもたらす】 そんな事は分かってる。でも……それでもほんの少しだけ……ほんの少しだけの幸せを願わずにはいられない。もし…もしこの復讐が終われば私は……
「何処に行けばいいんだろう……」
そう呟いて私の意識は深い深い闇へと落ちていった。
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