戦闘の後とお説教


アレンとニーナ、そして私は言われた通り外で待っていた。すると数時間後、首領は傷一つなく外へ出てきた。私は彼に近寄り「首領……」と声をかけた。


「ライ。お前は無茶をしすぎだもし俺達が来なかったらどうなっていたか……」


「分かってます……でもじっとして居られなかった。だって……あいつらは私の村を滅ぼした!私の親友を……家族を殺したの!私にはもう……復讐これしか残って居ない……!」



「ライ……あのねライの気持ち凄くわかるよ。家族を奪われたこと親友を奪われたこと。どんなに痛くて苦しいか私にもわかるよ……だって私もそうだから。」



「ニーナ……?」



「私もライみたいに何度も無茶をして何度も怪我をしてそれでも復讐のために動いた。だって悔しいもん。悲しいし痛いんだもん……でもね首領が教えてくれた。1人でするんじゃなくて仲間を頼れって。」



仲間……そういえば前に言われたっけ……ほんとどこまで優しいんだかこの人は……



「……ごめんなさい……」



「ライ。別に単独行動を禁止してるわけじゃない。ライカは単独行動専門なところあるしな。」



「首領……」



「でもな。頼る時はちゃんと頼る。今は無理でもゆっくりそれに慣れればいい。いつか俺達を頼ってくれればそれでいい。俺達は仲間なんだから」



「そーそー。私たちライの事心配だし大好きなんだよ。ねっアレン、首領?」


ニーナのその言葉に2人は少し顔を赤くさせながら「あぁ」と告げた。私はその言葉に小さく笑みを浮かべ「ありがとう……」と呟いた。首領は少し頬をかいたあと「帰るか」と手を差し伸べてきた。私はその手を暫く見たあと笑みを浮かべ「……はいっ!」と告げ彼の手を緩く握った。

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