第59話 side みーちゃん1

 時はレオンこと栃朗が高校生達を逃す為に、転送を発動して飛ばした時に戻る。


 道村 海弥姫(みちむら みやこ)は飛んでいた。不思議な事にかなりのスピードで飛んでいるにも関わらず、風を感じないし、風切り音もない。まるで飛行機の窓から景色を眺めているかのようなスピード感で景色が変わっている。不思議と怖さはなかった。


 身長155cm

 ほっそりとしたモデル体型で、Bカップの胸にコンプレックスを抱く。

 肩迄の髪は、今日はツインテールに纏めている。闊達な性格で丸顔の可愛らしい系。


 それよりも、瑞希の事が気になる。見た事のない男の人にべったりだった。それに私達はその男の人の奴隷になったらしい。展開についていけない。どうもスキルを取って騙された私達を救おうとしているようで、必死になっているわね。


 1度痛い目にあって貰うと言われて、首に巻かれた奴隷の首輪?から痛みを送ってきたわ。多分1秒位だと思うけれども、生まれてこの方味わった事のない激痛に呻き、涙が出たわ。逆らえばまたやられる!従わなければと、その一瞬で彼に屈してしまった。親友の瑞希が裏切る訳が無い。だから信じて皆に従おうと声を掛けて指示された通りに人と人とでの鎖を作った。そして首輪が外れ、今は何処かに飛ばされている。


 何故言われるがままに首輪を着けたのだろうか?甘かった。胡散臭いなあとは思ったのだけれども、皆が従っているから、つい従ってしまった。

 でも瑞希とあの謎の男だけは違ったようだ。あの首輪が奴隷の首輪だと見抜いていた。私達は騙された。

 エッチをしても無かった事になると言っていて、お試しで経験しちゃおうかな?と一瞬思ったのは内緒。


 周りを見ると、同じ方向に何人かが飛んでいるのが分かるけれども、白い靄が掛かっていて、男の子か女の子なのかも分からないわ。


 あの男の人は、私がどうやって生きろと言うんですか?と言った事に得たスキルを使えと言ってきたわ。この先何が待っているのかしら?


 スキルをって、取得する時のあの画面からしてまるでゲームよね。一応戦うのに役に立つのを取らないとやばいかな?って思って取ったけど大丈夫かしら?


 私が取ったスキルはこれ。


 1つ目

【テレポート】

 見えている範囲に瞬間移動が出来る。距離に比例して魔力が消費される。


 2つ目

【ドッペルゲンガー】

 己の分身を1体作り出して使役する。

 作成時己の総魔力の半分を使う。

 どちらも本物となれる。本体と分身体の両方を同時に動かす事が可能。

 分身作成時に分身体が持っている物は分身体から離れた全ての物は10分で霧散する。

 万が一本体が死んだり致命傷を負った場合、ドッペルゲンガーが肩代わりし、死亡時はドッペルゲンガーが本体に成り変わる事が可能。その場合や、ドッペルゲンガーが死亡した場合、ドッペルゲンガー作成時に使った魔力の回収は出来なくなる。

 ドッペルゲンガーとハイタッチすると、ドッペルゲンガーを解除して、魔力が回収される。


 数時間掛けてこの2つにしたの。

 直接戦うのなんて怖くて出来ないかな。こんな事になるって分かっていたら瑞希のようにアーチェリーをやっておくのだったかしら?


 でもこの2つが有れば逃げるのに役に立つわ。戦うのもドッペルゲンガーにさせれば、死ぬ危険は少ないわね。


 そうそう、瑞希があの男の人からアドバイスを受けているのが聞こえたの。魔法とか、剣技とかの戦闘スキルは後から取れるだろうから、選択肢から外せって言っていたから、なるほどって思ってこういうのを探していたの。


 ドッペルゲンガーってかなりのチートよね!本体が死んでもドッペルゲンガーが本体に成り代わる事が出来るなんて凄いよね。

 それにテレポートと組み合わせると無敵じゃない?本体が正面にいる敵と向き合っている時に、ドッペルゲンガーがテレポートで後ろ側にテレポートして、背後からブスリ!えげつないけど安全にやりたいもんね!


 あっ!

 降下し始めたわね。いよいよかしら?

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