A
ポーカーは自分の思っていることを相手に悟られないようにするわけではない。
時には自分の思っていることを伝えることも相手に勝つためには必要であり、相手に負けたり、降参したりする必要があるゲームである。
「結婚しよう」
私が返事をせずにウィン王子の目を見ていると、ウィン王子は、はにかみそうになりながらも、真剣に私の目をみてくださるのが可愛らしかった。
「はい」
ウィン王子の外側も内側も知ることができた気がする。多くの人はこの日から私をクイーンになったと言う。
「クイーン……つまり玉の輿か……なら、分け前が合っても」
カイジンはダイヤのクイーンを手に取る。彼の時は優しい雰囲気だけで騙されてしまって、人となりまで見ていなかった。彼はお金に大恋愛して、そしてフラれたのだろう。
「ないです」
「ないかな」
私とウィン王子はカイジンを見ながら笑顔で声を発して、そして、目の保養をするようにお互いを見つめ合った。
そして、私は手に持っていたハートのエースを彼に渡す。私にある唯一のハート。
どうやら、我が国のキングに勝てる唯一のエースは私だったらしい。
そして、私の手を優しく握ってくれる彼も、私が心から愛せる唯一のハートのエースに違いない。
fin
ふざけるのもいい加減にしてください。お金に困った婚約者が私を賭け事のチップの担保にしてました。 西東友一 @sanadayoshitune
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます