第91話 君との文化祭。−4
最初は二人でやっても客など来ないって言い放ったけど、予想以外の人数にちょっと疲れてしまう。こう見えてもめっちゃ頑張ってたからな…。委員長には今から自由にしてもいいよって言われたから…、茜とこっそり人けのないところで休んでいた。
「服、着替えなくてもいいの?」
「……ちょっと疲れて、そんなことをするところじゃなかった」
「先輩たちに人気あったもんね…?」
なんか、ちょっと怒ってるような気がしますけど…。
「怒ってる…?」
「全然…?」
「本当…?」
「……うぅ…っ、そんな目で見ないで…今の柊くんめっちゃ可愛いから」
「何が可愛いんだよ…。こんなに背が高い女子あんまりないから…、どう見てもキモいけどね…」
「柊くん…。今着ているメイド服も、その化粧した顔もめっちゃ可愛い…。こんなに可愛くてもいいの…?反則だよ〜」
茜の体が近づいてくるけど、足が痛くて動けなかった。
微笑むその顔で何を考えているのかはよく分からないけど、茜のその顔はちょっと…なんって言うかヤバそうな顔だった。何を企んでるんだ…。茜。
「……っ、どこ…を触るんだ!茜!」
「へえ…、柊くんも感じてるの?スカートの中に手を入れただけなのに…」
「いや…、ちょっと変な感触が…。これはちょっと、変だと思う!」
「せっかく女装したから、これくらいはいいでしょう?」
なんか、スイッチ入っちゃった…?茜…、茜…?
両手をスカートの中に入れて…めっちゃ触ってるし…。このままじゃ茜にやられっぱなしになるからすぐ立ち上がろうとしたけど、自分がヒールを履いているのをうっかりしてそのまま後ろの床に倒れてしまう。
この歳で滑るなんて…、恥ずかしい…。
「あれ…?」
「うん?何何!何これ!私のこと、食べてくださいって言ってるの?」
「いやいや…、違う…!」
なんでこんな時だけ、積極的になるんだ…。
「へへへ…、柊くんいただきます…!」
「何をいたっ…」
倒れている俺と唇を重ねる茜がスカートの中から何かを探していた。
「……っ」
「……」
こんな格好で茜にキスされるなんて思わなかった。
しかも片手で俺のモノを握ってるし…、悔しいけど…それに反応してしまう。
グッ…。
「……はあ、茜…ちょっと…ストップ!人が来るかも…しれっ…」
ダメだ…。今の茜…、俺の話を全然聞いてくれない。
それもそうだけど、ちょっと焦ってるような気がする。気のせいか…?
「はあ…、今ならできるかも!」
「ダメ、外だから…」
「チッ…」
「どうした…?ちょっと焦ってるような気がするけど、いつもの茜じゃないよ?」
「だって…、先からずっと女の子に声かけられて…私が知らない女の子と笑ってたから…」
「え…、それは接客だから仕方がないじゃん…。俺だって先、しつこい先輩に彼女がいますって言ったよ?」
「本当に…?」
「俺が浮気なんてするわけないじゃん…。まぁ…茜だけだから…」
「へへ…。嬉しい…」
それにしても茜…俺の体を触る時の慣れた手付き、どんどん上手くなるような気がする。もしかして俺が寝てる時に触ったりしてるのか、それじゃないとこんなにエロく触るのはできないはず…。この子、恐ろしい…。
「心配しなくてもいいんだよ。分かった?」
「うん。でも、こんなこともしたかった…」
「何を?」
ずっと抱きついていた茜が笑顔を見せながら、俺の首筋を思いっきり吸う。
「ちょっ…!茜…」
「うぅーっ!」
「はぁ…っ…」
「声エロい!」
「うるさい…、学校で何すんだ…」
「学校で彼氏とイチャイチャ!してます!」
堂々だな…。
「……本当に、勘弁してくれよ。また加藤に見られたら、言い訳できないからね…?あいつはすぐ気づくから…」
「これを残したら誰も近づかないんでしょう?」
「いや…、逆に俺のイメージも考えてくれない…?」
「へへへ…、そろそろ戻らないといけない…。もっと一緒にいたいのに…」
俺の話は完全に無視されて、今はただ甘えている茜を抱きしめるだけだった。
すると、顔を上げた茜がこっちを見て声をかける。
「ねね、もうちょっとだけいい…?」
「何を…?」
「キス…、私も頑張ってたからね…!ご褒美ください!」
「なんだ…それ。分かった。お疲れ、茜」
もうちょっとカッコいい姿でしたかったけど、仕方がないか…。
顔を上げる茜の唇を食べるようなやり方で襲う。その小さな体を抱きしめて、俺から離れないように…。男ってこんな動物だよって、感触だけで伝わるようなキスをする。どれだけ頑張っても俺には敵わないことを教えてあげながら、茜と大切な一時を過ごしていた…。
「……はあ、はあ…エロい…。私の顔…どう?真っ赤なの?」
「うん。真っ赤になってる…」
「どうしよう…。でも、やはり柊くんがやってくれるのが一番好き…」
「そう?気持ちよかった?」
「うん…。あのね…?体に力が入らない…」
「じゃあ…このまま全部脱がして、茜を食べてもいい…?」
「ひっ…!それはダメ…!やるなら、家でやりたい!」
「冗談よ。後で茜のクラスに行くから…、頑張ってね」
「うん…!」
茜をクラスまで送ってあげた後、俺は首筋に残された歯形とキスマークを加藤にバレてしまった。
「なんか増えた〜?増えたよな!アハハハッ」
「分かったから、静かにしろ!加藤!」
「アハハハハッ、分かった。分かった」
加藤はともかく、あの後輩をどうすればいいんですかね…。
日増しにエロくなってますよ…。まさか、俺が変なことを教えたからか…?
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