第十七章 あちらは神罰、こちらは女難?
神罰なのかしら?
ついにデーン王国が、ゴトーネース帝国と共同で、カペーに進軍を始めたのです。
カペー国内で馬鹿王子がクーデターをおこし、父親の国王を退位させたことが発端です。
デーン・ゴトーネースの連合軍はカペー王国と激突、連合軍の大勝利に終わったのですが、デーン王国がゴトーネース帝国軍を背後から攻撃したのです。
ゴトーネース軍は膨大な損害を被り、ゴトーネース帝国北部をデーン王国とその保護下にはいったカペー王国が占領する事態となり、ベネット王国に支援を要請してきたのです。
ベネットの北方軍は二個兵団を派遣、ゴトーネース帝国北部で決戦、かろうじてゴトーネース・ベネット合同軍の勝利となりました。
侵攻をおさえましたが、その後も泥沼の戦いが繰り広げられています。
それでも戦況はじりじりと合同軍が有利になり始めてきました。
ついに占領されていた国土を奪還したのですね。
2ヶ月後、王妃様が、愛の神イシュタルの日に、ネレーアに会いに来られました。
「エマさんのおかげで、ゴトーネース北部を取り戻したわ♪味方の勝利に終わりそうね♪」
「今年は世界中で不作なのよ、特にカペーの冷害がひどいみたい、デーンもゴトーネースの北部よりましだけど不作なのよ」
「なぜデーンは、カペーと同盟したのでしょうか?」
「カペー国内は軍による再クーデター寸前だったようね、我が身可愛さで、あの馬鹿はデーンの軍門に下ったそうよ」
「デーンと密約を結び、カペー軍を壊滅させたのね」
「そして、いまなら、ゴトーネース中部から南部まで、デーンの領土にできると、けしかけたようよ」
「カペーとして、その為に全面協力するから、すこしはゴトーネースの領土をよこせってね、馬鹿よね」
「あの馬鹿国王、間違いなく殺されるわね、デーン王って冷酷なのよ、勇猛で有能なのは確かだけど」
「思ったよりゴトーネース軍が弱そうに見えたのでしょうね、デーンとしては、冷害がひどいカペーを抱えるよりは、コントロールできる馬鹿に任せて、実り豊かなゴトーネース中部から南部が、喉から手が出るほどほしいのよ」
「この冷害が収まるころには、カペーの穀倉地帯は息を吹き返し、ゴトーネースとカペーと3国で、デーン連合王国の成立、マルドゥク諸国の覇者として君臨する」
「デーン王の目論見はこんなところと、宰相のクレマンが云っていたわ」
久しぶりに現地情報を検索してみましょうか……
≪この世界の北部一帯の食糧事情が悪い、その為、デーン、ゴトーネース、カペーはこれ以上戦えない、カペーは弱兵の上、軍は壊滅状態、ベネットはもともと弱兵の上、兵力も少ない、7神の内、マルドゥクの諸国は疲弊している≫
≪このままではネルガル諸国の介入を呼ぶことになる≫
食糧事情は良くならないの?
≪解答不可≫
「王妃様……このあたりで手打ちにしなければ、マルドゥクの国々に、ネルガル諸国の介入があると……」
「……それは……神のお告げ……なの?」
「神様から授かった、エンサイクルペディアの力です」
「大聖女のうえに大賢者ですか……とにかく陛下にお伝えいたします」
「それから、北部一帯の食料事情はどうも、しばらくは好転しないようです……」
「なんとかなる方法ってないかしら?」
「聞いてみたのですが、解答不可なのですね……どうも神様はお怒りなのでは……」
「多分、その通りではないかしら?」
王妃様は胸の中で、このように考えていたのです。
大聖女と側で仕える女たちの扱いに関連しているはずよ。
最悪なのはカペー、エマさんとクロエさんの扱いがひどすぎた。
ゴトーネースは、バンベルクで大事にしたけど、最終的には追い出した。
デーンはフレイヤさんに惨い扱いをした、しかしエマさんに仕える前の話。
ベネット 〉 デーン 〉 ゴトーネース 〉 カペー よね。
これって今回の戦いの、勝ち方の順じゃないの!
間違いなしに神罰よ!
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