第五章 バンベルク大主教就任の祝典

戦う女奴隷


「それでも館内の警護が必要です、エマ様は聖女ではありませんか!」

「なんとしても護衛の女奴隷は必須ですね……」


 結局、奴隷商まで連れて行かれたわけです。


「これはディオン様、先日は申し訳ありませんでした」

 この方、ディオンというのがお名前ですか。

「それはよい、今日はその代わりの奴隷を見に来たのだ、こちらはある方のメイド長とメイドだ、この方たちが吟味される」


「口は鍵がかかっておろうな」

「信用第一と心がけております」

「よろしい、ではたのむ」


 護衛奴隷さんの候補が、幾人が来られましたが……なんとなくね……

 

 分団の騎士さんたちのほうが圧倒的にお強いでしょうね。


「ほかにはおらんのか?」

「私が見て歩きましょうか?」


 そんなことを言ったものですから、奴隷商さんの案内であちこち……


 すると……大きな女奴隷さんがいたのです。


 称号に、元スコーネ公国戦士、楯の乙女

 魔法に、『※※』、『※※』、※※』、『※※※※』

 とあり、健康状態が 弱視、四肢麻痺……


「この方、どうされたのですか?」

「デーン王国に滅ぼされた、スコーネ公国の女兵士ですよ」

「なんでも、前デーン王がスコーネに攻め込んだとき、この女に手こずったとか聞いています」

「激怒した王が、筆頭宮廷魔術士に命じて、呪いをかけて弄んだようです、新王が即位され、先日私どもに売り払ったのです」


「上得意様ですので、購入はしましたが、経費がかかるばかりで、正直困っておりまして……なんせデーン王国の、筆頭魔術士が呪いをかけておりまして……」

「買うのですから、かけた魔術士に解呪をしていただいては?」

「それが王命でしたので、解呪不可の禁呪で上掛けしたそうで、そうなると掛けた者では解けないようです」

「なにか、魔法を4つ持っているようですが、どうやらこれも封印されている様なのです」


「自決も出来ないようで、仕方無いので処分するつもりです」


『健康診断』魔法を発動すると……


 ※※※※※

 健康診断

 

 名前 フレイディース

 年齢 18歳

 性別 女


 健康状態 不衛生、衰弱

 心理状態 性依存

 

 性交状態 異性1人、同性0人、異種0人

 強姦者 前デーン王アブサロン


 状態異常 呪術による物 魔法不可(怪力、俊敏、冷蔵、回転車輪)、自決不可、弱視、四肢麻痺、淫紋

        解呪するなら、パラメーターを消すこと

 ※※※※※


「処分は可哀想ですね……貴女、私の所で余生を静かに過ごさない?私が可愛がってあげるわ、意味はわかるでしょう?」

「貴女が?こんな私を?」

「あきたら処分してあげるわよ」


 クロエさんが、何かを云いかけましたが、手で制止したエマさんです。


「処分してくれるのですか?」

「あきたらね」


「ご主人、私の方で処分しますから、この女奴隷、くれませんか?」

「ディオン様が良いのなら」


「よい、この方の主人は刀剣の愛好家、よく死刑囚を試し切りにしていると聞く、その為だろう、女奴隷、斬り殺しても、自分の財産、何の問題もない」


「そうですか……では、このままで……」

 

 フレイディースさんを馬車に乗せ、お帰りです。


「ディオン様、話しをあせていただき、ありがとうございます」

「それはいいが、どうされるのですか?」

「解呪して私の物にします、なんせ私はね、知っているでしょう?」


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