第23話 クレクレのしかた
クレクレとは読者にたいして評価をお願いする行為だ。
以前、少し触れたと思う。
このクレクレ。なろうでは結構効果がある。
するのとしないのとでは、ポイントのつきかたが明らかに違うのだ。
むかし、ブックマークに対する評価者数を調べたことがある。
だいたい20:1の割合であった。ブックマーク2000なら100人が評価をつける。
これはけっこう昔。まだクレクレが禁止されていたころの話だ。
その後、運営は読者に対して、積極的に評価を入れるよううながした。
たしか文章、ストーリーだったかな? 二個に分けてそれぞれ評価する方式から、一つに統合され、名も応援ポイントと変えた。
そして、評価も常につけられるようになった。
以前は最新話からしかつけられなかった。
たとえば59話まで更新していれば、59話の最後しか評価をつける項目がないのだ。
この変化によって評価する人の数が増えた。
ブックマーク10に対し1程度は評価が入るようになる。10:1だな。
もちろん、作品によって比率は変わってくる。超良作やニッチなところをついている作品、ブックマークが少ない作品などは当然かたよる。
それ以外は、だいたいこれぐらいの比率に落ち着くようになった。
それに前後してクレクレが解禁された。
正確な時期は覚えてない。もっと前だったような気もするが、浸透したのはこのころだったように思う。
別に運営が大々的に発表したわけではない。
規約のあいまいな変化に伴い、作者が問い合わせた結果だ。
「こんな返事がきたぞ!」
それが噂のように広がっていき、クレクレしだす作者がでる。
そんな数々の作品への運営のスルーと警告を経て、どこまでがオッケーかだいたい判明したってワケだ。
先人たちの努力に感謝だな。
結果、だいたいブックマーク10に対し2程度は評価が入るようになる(あくまで人数。評価ポイントではない)
倍だ。
そりゃやらん方がバカだって話になってくる。
その後、みながクレクレするようになった。
特に評価に貪欲な層。ランキングを狙って執筆するような人が積極的に取り入れた。
やがて作者のみならず読者の間でもクレクレが浸透するようになる。
意識改革だな。読んだらとりあえず評価を入れる人が増えた。
結果、クレクレしなくてもある程度評価が入るようになった。
余談だが、古い読者ほど、この流れに逆らう傾向がある。
クレクレを嫌うばかりか、とにかくポイントを出し渋る。
とうぜんランキングに乗るような、流行りに乗った作品以外はポイントがつきにくくなる。
ポイントがつかなくなった作者は、流行りを取り入れるようになるといったサイクルが生まれる。
こうやって昔は良かったが形成されていくワケだ。
で、今はどんなもんだろうな?
ブックマーク10に対して3ぐらいだろうか。
ただ、するのとしないとでの違いがよー分らんようになってきた。
みなが当たり前にしているし、やり方もバリエーションが増えてきたから比較が難しいのだ。
小まめに消し、最新話のみに書くパターン。
後書きに乗せずランキングタグで常に表示するパターン。
ここ一でクレクレするパターン。
「あと200ポイントでトップ5に乗ります! お願いします!!」
泣き落としパターン。
さまざまだ。
あとはスタートダッシュ。ランキングの乗せるためにクレクレするパターンだろうか。
筆者としては、これが一番効果があると思う。
わずか10ポイント足らなくてランキングに乗らないなんてのが結構ある。
たかが10ポイント。されど10ポイントだ。
その後消すか残すか作者しだいだ。
タイトルもそうだな。
ランキングに乗るなどして、ある程度ポイントを稼いだらタイトルを変える人がいる。
目を引く長いタイトルから、本来つけたかったであろう短いタイトルにするんだ。
ランキングでは逆に目立ったりするしな。
(ちなみに最近は長ったらしいタイトルは減ってきた。さすがに読者も飽きてきたんだろう。ただ揺り戻しもある。すぐに長いタイトルに戻るかもしれん)
こうなるとパッと見では判断できなくなる。
結局は投稿してみての、自分の感覚を信じるしかない。
で、やっと本題。
筆者がやってみたクレクレを紹介したいと思う。
1、「気になった方はぜひブックマークに追加おねがいします!」
一話の後書きに乗せた。
最も読まれるのが一話だ。そこを取りに行った形だ。
なろうではブックマークで2ポイントはいる。あとで外されようがポイントとして計上される。(一日の集計の話)
効果はほぼなかったように思う。
みな意外と読んでからブックマークを入れているみたいだ。
とりあえずブクマを入れるのはランキング作品だけかもしれない。
チェックしておいて、あとで読む的なやつだろうか。
いや、ちがうな。流行りに乗った作品だ。
私が追放を書き始めたのはブームが終わるギリギリだ。
そのころは確かに効果があったように思う。
ブームが去り、しっかりと吟味するように変化したのだ。たぶん。
2、
「作者からのお願いです。
おもしろい、続きがみたいと思われた方はブックマーク、評価をおねがいします。
おもしろくないと思われた方も、面倒でしょうが評価での意思表示をしてくれたら嬉しいです。
おもんないけど読めたから☆ひとつ。
まあ頑張ってるから☆ふたつ。
そんなつけかたでもかまいません。
今後の執筆の糧にしていきます。
作者としては反応が見えないのが一番ツライので」
情に訴える作戦だ。これは効果があった。
目に見えて評価者数が増えた。
しかし、低ポイントつけて去っていくやつが多数いた。
あいつら平気で☆1とかつけていくのな。
普通こんな書き方してたら1とかつけにくいじゃん。ビックリするわ!
とはいえ、作者はウハウハだ。
ブクマは剥がれるが、評価はめったなことでは剥がれない。不動の2ポイントが加算されたわけだ。
なろうは積算なのだ。平均点などどうでもいい。
たまに低評価で怒る作者もいるが、あれはやめたほうがいい。
気持ちはスッゴク分かる。
でも尖った作品ほど刺さらなかったら低評価をつけられるもんなんだ。
気にしちゃダメだ。
あとは流行りで釣る作戦だな。
筆者だと「追放」で釣った。
たいして復讐やざまぁなどしない。そりゃあ期待した人に低評価つけられるのは当たり前だろうて。
3、「ぜひ評価をお願いします! モチベーションアップにつながります」
効果がよ~分らんかった。
やらんよりはいい気もするが、目に見えた変化はなかった気もする。
読者層に依存するのかもしれない。
素直な作品を書いている人はこれが一番効果があるのではないだろうか。
あとはもっと直接的な表現。
「下にある☆☆☆☆☆をクリックして★★★★★にしてくれたら作者が喜びます!」とか。
純真な読者が入れてくれると思う。
私のようなヒネクレ作者には合わないんだろうな。
ヒネクレものにはヒネクレものが集まるものなのだろう。
とまあ、さんざんクレクレしろと言ってきた割にはショボイ結果だが、結論としてはクレクレはした方がいい。
だんだん効果がなくなっているのも事実だ。しかし、まだ目に見える程度の変化はある。
特に新連載時。
細かいテクニックを積み上げて、ランキングの100位になんとか乗せてやりたい。
なろうは小さな変化で大きく変わる。
ランキングに乗るか乗らないかでは雲泥の差だ。
たとえランキングからすぐに落ちたとしても、そこで稼いだポイントはムダにならない。
人はポイントにむらがる。今後の伸びに大きく影響するのだ。
カクヨムのクレクレはどうであろうか。
先日規約を読んでみた。ガイドライン的なやつにも目を通してみた。
特にクレクレを禁止しているような条文は見当たらなかった。
てことで身をもって確認してみることにする。
142話公開時点で評価者数37。クレクレは行っていない。
ここにクレクレを追加し、これからどう変化するか推移を見守りたいと思う。
まあ、あるていど予想はつくけどな。
たぶん効果は薄い。ランキング作品を見てみたがクレクレしている人はほぼいなかった。
やらないのは効果がないからだ。
自主企画で☆をあつめる方がよっぽどいいのだろう。
※おまけ
なろうでは本文でクレクレしてはいけない。通報されれば警告を受ける。
後書きでしよう。
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