彼はもう彼女の愛から逃げられない
Vtuberとして活動し、登録者五十万人を抱えるライバーが居た。
名前は東雲梓と言い、可愛らしいボイスもそうだが類い稀なるゲームセンスが光る存在でもあった。
狐のような獣耳を持ったよくある姿のVtuberでもある“彼”には秘密があった。
「だからそんなに心配する必要はないって」
『何を言うの!? 私はあなたのことが本当に心配なのよ!?』
Vtuberとして演じるガワの姿に意志が宿り、こうして意思疎通が可能だったのだ。
これはもう一人の自分とも言える姿と会話が出来、同時に知らない間に重たく愛される青年の物語だ。