第28話:退屈な日常

目が覚める


ソファーで寝たらしい


人の気配を感じた


ソファーの隅で本を読んでいる影


ジュリエッタか・・・


ジュ「おはよう」


ヴィンセント「おはよう」


セシルは学校へ行ったか・・・


ヴィ「読めるのか?その本」


ジュ「ん?だいたいは・・・どうしたのこの本」


ヴィ「ガレキの中から発掘してる」


ジュ「へぇ・・・そうなんだ」


ヴィ「何が書いてあるんだ?その本」


ジュ「たぶん、小説・・・物語かな」


ヴィ「どんな内容?」


ジュ「魔法使いが旅をする話」


ヴィ「そうか」


ジュ「それは?」


テーブルの上の機械に指を指す


ヴィ「さぁ、本と一緒に出てきた」


ジュ「なにかわからないのによくもってくるね」


ヴィ「・・・そうか?」


ジュ「爆発でもしたらどうするの」


ヴィ「・・・なるほど」


ジュ「今日はなにか予定あるの?」


寝ぼけた頭で思い出す


ヴィ「部屋を片付けてベッドを入れる・・・その後はまた発掘かな・・・来るか?」


ジュ「そうね、暇だし」


ヴィ「言葉がわかるなら助かる・・・それは何語?」


ジュ「・・・さぁ」


ヴィ「さぁって」


ジュ「昔、親から教わったから・・・」


ヴィ「そっか・・・シャワーあびてくる」


ジュ「うん」


本に目をおとす。


本の主人公は魔法使いなのに魔法を使わない


不思議な話だ・・・


少し読んで本を閉じる


この先魔法を使わなくて済むことを祈る


何もしないでここにいた方がいいのかもしれないそんな気がした。


シャワーから出てきたヴィンセントを手伝って部屋の片づけをする


ジュ「部屋の数が多いのねこの家」


ヴィ「そうだな・・・」


あまり話たくなさそうだった


ベッドが届く


部屋に置いてマットとシーツをのせる


ヴィ「一時的に寝るだけの部屋だと思って使ってくれれば」


ジュ「悪いね」


ヴィ「さて、出かけよう」


ジュ「お昼は?」


ヴィ「食べながら行けばいい」


バイクの後ろに乗る


ジュ「バイクなんで乗るんだ」


ヴィ「まぁ」


飲食店で昼飯を済ませてガレキの街に向かう


あまり会話がなかった


発掘する場所についた


ヴィ「旅の行先なんだが」


ジュ「どこに行くか決まった?」


ヴィ「電車で西の国に向かおうと思う」


ジュ「そう、何かあるの?」


ヴィ「仕事の依頼がいくつか」


ジュ「そっか」


たいした会話もないまま


ジュ「セシルとずいぶん歳がはなれてるのね」


ヴィ「あぁ、血はつながってないよ、あずかってる」


ジュ「そう、いいの?置いていって」


ヴィ「どうせそろそろ1人で暮らすっていいだすだろ」


ジュ「かもね」


ヴィ「俺がいない方が気楽だろうし」


ジュ「・・・そうかな」


ヴィ「さぁね」


何冊か本をてにしている


ヴィ「何かわかるか?」


本を受け取ってページをめくる


ジュ「・・・なんだろ、子供向けの童話か何かかな・・・」


ヴィ「そうか」


ジュ「何を探してるの?」


ヴィ「いや・・・何ってわけじゃないよ」


ジュ「・・・そう、ならいいけど」


ヴィ「つまらない?」


ジュ「そうだね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ガレキの楽園 Grace @Grace_8800

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ