24




side. Subaru




あれから随分遅れてやって来た土屋が、ソワソワと赤い顔をしながら森脇に話があるとか切り出して。


2人から妙に浮ついた空気を感じとり、

居づらくなった俺は…



ひとり、屋上を追いやられた。







仕方なく家に帰ろうかと、いつもの道を歩きながら。

ふと、あのコンビニに視線を這わせて。






(もう学校かな…)



ガラス越しにぼんやりと店内を見渡しても、円サンの姿は無く。

最後にカウンターへと視線が行き着いて───…



ピタリと足が止まった。







ガンッと勢いよく店内へ駆け込めば、カウンターには店長らしきオッサンがいて。


俺の姿を見るなり、

ソイツは大袈裟に肩を震わせる。





それよりもカウンターの真正面、

そこには無残な姿に変形した、棚の成れの果てがあり…


目を開き嫌な音をたてる胸を抑え、

俺は店長へと詰め寄った。







「円…篠宮サン、は…?」



鈴高の制服を目に異様なほど怯えながらも、

店長は恐る恐る口を開いく。





「それがっ─────…」







「チッ…!!」



驚愕の事実を知らされた途端、

外へ飛び出すオレは。


コレまでにないくらい、

全力で帰路へと続く道を



駆け抜けていた。




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