6 鶏か卵か
「えーと、つまり、さっきまでの話と合わせると、リャナン・シーとして
「話が早いな……まあ、そういうことなんだけど」
んー、と
「となると、結局、その
「……オリカは、どう考える?」
「少なくとも私達が存じ上げない方であって、もしかすると高橋さんもご存知でない方かもしれない、とは思いますけど」
後者に該当するならそれは
ホラーはホラーでも生きてる人間こそが一番怖いオチのサイコホラーになりかねない。
「……
「確かに、影響にはメリットとデメリットがありますもんね。これ、対価の関係とも言えますか?」
リャナン・シーと被害者の間のメリット、デメリットを単純に図式化すれば、自身を犠牲に女神に才能を
『ベニスの商人』でもあるまいに、そんな取引が成り立ってたまるか、なのだが、それは
「え、あ、うん、それは、そうだけど……それ、今回は副次的効果だと思う」
「今回の本質ではない、と?」
「本質は
逆。
ロビンのその言葉の意味をフォークを
「もしかして、順番が?」
「うん、こっちの領分の事象としては
そこでもう一度、紅茶を一口飲んでから、実際、とロビンは切り出す。
「オリカ、資料を読んで言ってただろ? 以後が激的に様変わりしてるけど、以前もいいものだって」
「ええ、はい」
確かにそう評したのは他ならぬ
とはいえ、このメンバー内でなら一番そういう審美眼が高いと言われたのは、あまり納得してないけれど。
「確かに以後はこう、大々的に制作費を投入されて作成された名作映画、と言った
「その時点で十二分にライターとしてはうまいでしょ。あの後、センセイがナオにも意見求めてたけど、ナオももともとが普通にうまいって言ってた」
そういう風に本業に聞く方が手っ取り早いのでは、わさわざ自分を経由する必要はなかったのでは、と
「だから、逆が考えられる。まして本質が
「才能がもともとある所に
「うん。現代における
確かに自分達が支持する内容からすれば、
ある意味、自己催眠みたいなものといえば、そうなわけだし、と
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