14 立つ鳥は跡を濁さぬか
◆
「はい、そしたらまっすぐ帰ってくださいね」
「はい」
「ええ」
「……」
「……」
「そこのお二人、返事は?」
にっこりと
それを見た
場所はこの廃病院の正面玄関。
あの後、
「言っときますけど、わたし達はもう少し残りますので、戻ってきたりしたら、本気でケツを蹴り上げますからね?」
五体接地法かますようなフィジカルの人間にケツを蹴り上げられたら、相当に痛いだろう、と思う。
だが、
「か、
「えぇ……言って聞く気がないなら、恐怖による条件付けをした方が、互いの効率化じゃないですか? 論理をわかる気がないなら、感情でわかるようにしてもらわないと」
「あと、あの良ければ連絡先……」
「ほう、ナンパするだけの余裕はあると。残念ながら教える気はさらさらありませんが」
「たぶんこいつ、霊能力者と知り合いなんだぜ、って合コンでしたいだけなんで、それでお願いします」
「いやいや、
しかし、
「そもそもわたしの好み、理知的な男性なので、かけ離れてるんですよ」
「……え、俺、理知的じゃない?」
この場の女性陣全員から白い目が
「……霊能力者の連絡先知ってるからって
「ああ……そんな気はしてました」
「これから先、平穏な人生を送りたいなら、わたし達の連絡先を手に入れるより、わたし達からの忠告だけ覚えておいてください」
「……肝に銘じます」
「絶対に忘れません」
君子
たぶん
◆
「ちぇっ、連絡先欲しかったな~」
「あんたは絶対相手にされない。
ぽつぽつと
「理知的じゃないだけじゃなくて、あたしを置いてくような
これは完全に根に持たれてそうだが、
残念だが当然の帰結であるが
ふと振り向けば、
「
「……夢、見てたみたいだったなって、ちょっと思って」
そう言って、
そういえば、
確か、
「ちょっと、
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