11 認識と無意識
「えっと、
「はい」
「その、今までの話を聞いてると、因果が逆みたいに聞こえて……お化けがいるから話があるんじゃなくて、話があるからお化けがいる……みたいな」
――あなた方お二人は四階の噂を知っていた上で
――しっかり話を知るというブースターを持った
――それ以上の認識をされても困ります
――知っていた噂が
そう
そして、今も
「……まあ、そう違ってはいませんね。もっとも、最初の大前提はそれを成し得るだけの力場がそこにあることですが」
「力場?」
「最近、パワースポットとかよく言うでしょう? そういうことですよ。そして、単にそこにあるだけの力自体に善悪はありません」
電気と同じです、と
「使おうと思えば、悪用もできますが、良い方向に利用することもできる。そういうものです。
言いながら、
その意図するところを思えば。
「ええっと、その力の方向性は人が作用してできるってことでいいんです?」
「ええ、無意識を
「……それなら、イドの怪物ってこと?」
「いど……ああ、
この場合のイドは確か、心理学の言葉のはずである。
「フロイト?」
「
「でも、どっちにしろ、人の心理状態が影響するということには違いねえだろ?」
「正確には、心理もひっくるめた認識ってところですし、どちらかといえばフロイトと
「ええっと、無意識化で人がつながってるってやつですっけ?」
「あ、それはニュアンスが違いますね。人の思考や発想の根幹となる無意識というものが、国が違えど本来的に同じものなのではないか、というのが集合無意識のはずなので」
「で、今話してて少しばかりの実感はあったかもしれませんが、そもそも知っている事だけで視野、つまり認識可能な範囲って広がるんです」
――微生物の存在を知るまで、沼の水に目を
大変申し訳ないことに、
「あー、ちょっとわかる、ミジンコ見てみようとする」
一方、
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