10 四階の幽霊
「まあ、人類という種がここまで繁栄できた一端にはおそらくあなた方のような、自身の好奇心に任せて突き進むタイプの人間によって取れたデータの積み重ねがあったんでしょう。だとしても、今この時に必要なものではないんですよ」
「うっ……」
「な、なんでそこまで言われなきゃならないわけ?」
何も覚えていないらしい
「わたし、さっきも言いましたよね?
「そもそもあんたたちが霊能力者って証拠もないじゃない! 詐欺師とかさ」
「
「
見かねて
さっきの
そう言われれば当の本人も記憶の
「援護射撃、ありがとうございます。で、そこのすっとこどっこいは何を隠そう、三階女子トイレまで逃げてきて、
「あー、言わないでくれって言ったのに!」
何度目かのため息をつきつつ、
「まあ、聞いた話を総合しますと、一番やっちゃダメな属性をお持ちのお二人が、しっかり話を知るというブースターを持った上でしでかしたのが原因としか言いようがないんですよ。なので、お二人とも自業自得。今回はたまたまわたし達がいたから、助かったものと思ってください」
たまたま、に相当強いアクセントをつけながら、
「……あの」
「ちょっと気になったんですけど」
「はい、知って問題なさそうな範囲であれば答えますよ」
今まで
「四階の幽霊の噂ってなんですか?」
「よくある怪談ですよ。この廃墟の四階に幽霊が出るっていう。わたしからはそれ以上の説明はしません。それ以上の認識をされても困りますんで……まあ、噂らしくバリエーションは
少しばかり
「
「んー、それは知っていた噂が
ここまでの話を聞いて、
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