9 竹屋の火事
「ああ、はい、もう入っても大丈夫です」
その顔色が先程よりも白く見えるのは気のせいじゃない、と少なくとも
そっと部屋に入れば、ぽかんとした
「……
きょときょととそう言う
まるで反省の色がない。
ちらりと
「……
「助けて? なんで?」
「
「……あ、はい。大丈夫です」
いくら
早く階下の
そう考えていると、廊下の方から声が聞こえてきた。
「ほーら、きびきび歩く!
どこの鬼教官かというような
ひえっと少し情けない声を出していたのは、相当
大学デビューを機に染めた金髪とその軽薄さで、よくあるチャラい男にしか見えないのだが、こうしているのを見るとホラー映画の最初の方の犠牲者みたいだな、という感想が
「か、
「どうも。事が終わったようなので、ちょっとばかり無理矢理に来ました」
そして、
「……あー、まあ、そうなるか。そうなるのか、うん。そこのすっとこどっこいに聞いた内容合わせると、うん」
すっとこどっこい。
そう言われた
やっぱり相当
何かを納得したらしい
「
「……ええ、はい」
「あ、うん、わかりました、わかりました。こっから先はわたしに任せて大丈夫です」
すみません、と
それを止める事なく、見送った
「
「はあ? さっき俺、散々詰められたじゃねえか!」
「まず、
「え、何なの。というかさっきの子は大丈夫なの……?」
「ここの持ち主に依頼された
まあ、大丈夫ですけど、と付け加えるあたりに、
「取り急ぎ、名前は教えますよ、
腰に手を当てた
「まず、そもそもとして、勝手に廃墟に入るのは不法侵入ですが、それ以上に、あなた方お二人は四階の噂を知っていた上で独断専行しましたね?」
そう
「
「ひっ、はいっ、知ってました!」
さっきまでどんなお説教をされていたのか、ちょっと怖いもの見たさで知りたくなる。
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