5 無知の知
沈黙の中、
「正直、否定できるほどの自信はわたしにはありません……けれど、どっちにしろ
「……この子から、離れなければ?」
神経質な視線を
「ええ、最悪わたしが制御不能になっても、アレは
当然のように
「この廃墟を攻略するなら、究極
なので、と開き直ったように
「極端に
「ちゃんと意図的にも集められますから、十中八九守れますよ」
ふんす、と鼻息荒く
その様はなんだかどうにも場違いに微笑ましい。
その一方で十中八九という言い方が気になる。
「……えっと、それだと、一か二は取りこぼしがないかな?」
「それは不確定要素というものを想定した結果ですよ。絶対なんてありえませんから」
その不確定要素の想定を実力と考えるなら、ここで十を求めるのはダニング=クルーガー効果、無知
「……
ぴりぴりと気を張っている
少なくとも二人だけでは、その場で恐怖するだけで進みそうにないのだし。
「そういえば、やってからなんですけど、スマホでの連絡とかはつかない、ということでよろしいです?」
「え、あ、というか……連絡入れたところで、たぶん返して来ないかと」
「ああ、なるほど、カースト的なアレですか……」
「で、
「え、あ、うーん」
「取り急ぎ、三階。三階の、東側……」
そして、うげえ、と言い出しそうな苦い薬を口に放り込んだような表情を浮かべて、力いっぱい言った。
「ばっちばちに嫌な気配する……」
気持ち悪、と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます