5 壺中異界
◆
ボックスタイプの座席の向かい側で、ロビンは
あの後少ししてから、
平日の午後も早めの時間なので、少なくとも車両単位で貸し切り状態である。
「あ」
「んぐ……う?」
不意に思い出して声をあげれば、ロビンが寝ぼけ
「ああ、いや、大したことじゃないんです」
「…………人を起こしといて、それはなくない?」
至極ごもっともな意見である。
「いえ、あの、ハーバリウムと
「ん……ああ、
「ええ、まあ……ロビンが知ってて自分が知らないのは
素直に言えば、ロビンは確かに、と言いながら、くすくすと笑った。
「まあ、それだけ知ろうとしなきゃわからないものが転がってるってことだよね。『
そんなんでわかるか、と思う。
そしてこの兄弟子は、それもちゃんとわかっている。
「でも、
「そりゃまあ、そんな有名どころ、知ってるに決まってるじゃないですか。神仙思想における異界の一つ。中国東方にあるとされる島の一つですよね」
浦島太郎の原型、
ロビンはがさごそと
「その
案の定というか、
とはいえ、たぶん
「
「
それを聞いて、なるほど、と
「
中国は後漢における一介の役人が仙道を
「まあ、考えられるレベルだけど……さらに突き詰めれば
何故そこまで知っているんだ、この兄弟子は。
そう脳裏を過ぎるが、いつもの事なので
なんなら、ロビンにはその思いは
「西洋だと
「ロビン、ロビン」
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