side B
1 旧里に帰れば
ばきん、とちょっとむしゃくしゃした気分に任せたまま邪魔な枝を折りとって、自分とロビンにだけわかる跡を追い、
救急車のサイレンが遠くなっていくのは、恐らく
というか、地面の湿り具合からして、ここには雨が降っていなかったと考えるべき状況だ。
ここまで来て、
まあ、
しかし、
海賊の眼帯みたいにしておくべきだったか、とちょっと思う。
「
「ああ、
そんなまだ少しちかちかする視界の中、
「ロビンくんは……」
「ああ、大丈夫です。
しかし、
「それよりも、鳴らし続けてくれたんですよね。腕大丈夫です? どれぐらいでした?」
「んー、二日ってとこやね。
神隠しには太鼓や
各地に普遍的に伝わるそれの一端の再現を、二人は保険として
「そういえば、一時間ぐらい前にあのヘンタイから、
「先生から?」
変態と言われて、即座にそれが自分の師の事を指すのだと気付けてしまうのは、弟子として普通はどうかとも思うが、
ちなみに、他には狂人とか、あんぽんたんとか、そんなとんでもない呼び方を、あえて
まあ、あの師の場合、なんと言われようとそれが自分の事を指すと気付けば、最初こそ文句を言えど、受け入れそうだ。
それが悩みのタネではあるのだが。
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