1 神隠し
初めて自分以外のものが立てた音に頭を真っ白にして、反射的に振り返った
とはいえ、
しかし、その細身の身体に
背負っている、やはり蛍光オレンジのワンポイントの入ったリュックこそやや小振りではあるが、明らかに
「あー、見つけました、見つけました」
明るく
そして、その友好的な表情で話しかけてくる。
「君、
黒髪を短く、とはいえ
「へ?」
すると、彼女が出てきた茂みの方からまた、がさごそと音がして、くすんだ金の髪に眼鏡をかけた青年がふらふらとよろめきながら出てきた。
「ヒロ、待って、ボク、ヒロほど、体力、ない」
ヒロと呼ばれた彼女と似たような装備ながらも、ひょろりとした彼は、ぜえぜえと息を切らしながら近くの木に青年は手をついてよりかかる。
もやし、という言葉が
「やっぱり、ロビンも体力つけましょう。帰ったらまず走り込みです」
「……うん、そうね」
目の前の少女がどれだけの強行軍を
その様はつい
「……いや、本当に、これ、体力ないと、つら……い……」
ずるずるとそのまましゃがみ込む青年を、少女は少し
しゃがみこんだ青年の頭を見つめながら、
この感覚はそう、テストで順番に
――平たく言えば、同情である。
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