忍ぶ恋硯に向けし、徒花は月の雫と去りし面影
- ★★★ Excellent!!!
もはや、使い古されたとも云えるような様式美
歳上の従姉妹との、淡くはかない想いの途切れ
叶うだけが花ではないと知りつつ
その仕舞いは、いつも切なく胸を締め付けます
その、秘めた思いを彼は硯に込めました
何度も見てきた結末でも
そこに向かう気持ちは、一人ひとり
一つひとつが違うもの
優しさがそのまま切なさの重さとなって心を砕く
しかし、それは
自分が確かに生きていたという証にほかならない