第6話安息

今日もまた、素直に家には帰れず

「すまない残業で今日は家には帰らない。」

と言うメールだけを残し

いつものバーへたどり着いた。


「マスターいつもの一つ。」

「かしこまりました、今日は麦焼酎でいいですよね。」

「ありがとう、よく分かりましたね。」

「えぇ、いつも一人でいらっしゃる時は好きな麦焼酎ですもんね。」


そういって出された麦焼酎を嗜みつつ、タバコに火をつけた。

静かな音楽に気持ちを落ち着かせ、心待ちにしている所に

「いらっしゃいませ。」

マスターの優しい声が静かに聞こえた。


「かつお待たせ、ごめんね、遅くなって。」

「いやっ、大丈夫だよ。」

「マスター、同じのいただける?」

「かしこまりました。」

そういって出された同じ麦焼酎で乾杯をした。

自分の心が痛み、それと同時にとても安らぎを感じた。

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