第8話 勇者って?
『マジか』
思わず、彼女の背中をうかがう。
……天使の羽は、無いよね。
太陽のミニアチュアの様な『転送ゲート』を背後に、
浮かんで居る彼女は何故かぎゅっと両面を閉じていた。
しばらくして彼女は、んっ? と言う表情に成り、右目だけ恐る恐る開ける。
開けた瞳は、とても
『……
宇宙空間なのに、鈴の音の様な声音でつぶやく。
ふと、自分を
『まあ♪ 何と言う『
しかも
更に、逆に私を
こんなの、初めてですは♪』
鈴の音の声で
震わせると、豊満な身体は~(たゆん♪)
(……あノ、マスター。彼女の言語は地球上の物では無い様ですが、
先ずは(仮)ユグドラシル・ネットワークから彼女のシルバー・コードを経由して、精神リンクします。
そうして彼女とは、テレパシー翻訳してまス)
(はい?! ……あ、そ、そうね。相手の情報を収集し無いとね)
『豊かな揺らぎ』に、思わず目を奪われた事は……げっふん、げふん。
ので、うっかり『
『えーと……貴女は、どなたですか?』
ころころと鈴の音で
彼女の
彼女はハッと気が付き、
『失礼致しました、
タイ・クォーン
『やーでぃんたいこく?ゆうしゃ様? しんかん長? ……
えー、セルガさん? 初めまして。『
やーでぃん大国?ってどこさ? ゆうしゃ様って?
何か不思議な呼び方を受けたぞ。
『『サムライ』? エーンショー タケチ......様?』
セルガさんは、よそ行き笑顔で、オウム返しに答える。
でも、なかなかレベルの高い
『
『はい。
「
だから、ゆうしゃ様って何さ?!
(……
セルガさン
多分
『侍』スーツ戦術AIの隼が、脳内会話で報告して来る。
(いせかい?)
(残存データヲ、さかのぼり読みますト……
(異世界? この、地球上では無いんだな……繋がってる先は、(仮称)ユグドラシルの枝葉の一つ、つまり『パラレル・ワールド』の一つて事かい?)
(……そんなモンでス)
(にごしたな)
『ふむ。ではセルガさん? どんな
『はい♪ 勇者タケシー様への御願いは、
『タケシ......(もういいや)まおう? とうばつ?』
武良は自分の耳を再度疑い、思わず自分の耳をさわる。
『はい! もう『かつてない強さ』の、タケーシ勇者様におすがりしないと、私の世は滅ぼされてしまいます』
と、彼女は両手を伸ばし、グンと近付いてくる。
ちかいちかいちかい!
武良は、サスガに引く。
彼女は『逃がさん』とばかりに、両手で俺を抱きしめる。
セルガさん! 豊満なお胸が『当ててんのよ』状態です!
……至福……いや!
俺は、彼女を振り払おうと、身体をひねる。
スコ
ひねった勢いで半霊体の彼女の右手は、バスター・ミサイルに触れて……
カチ
(ゲ!)
『ヤバい!』
隼と猛の、
なぜか光子エネルギーが発生し、ミサイル信管の
キカッ
ドッ、グァアアアアアアァァァン!
ミサイルは凄まじい
が旋光は、何かに『吸い込まれた様』に、
旋光が収まると、猛も、セルガと言う異世界美女も、太陽ミニアチュアの様な転移ゲートすらも、影も形も消えていた。
後には眼下の青い地球を、
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