「ふわり」#言葉の添え木より


ケセランパサランがやってきた

「よいふぁんでぇしょんはありませんかぁ」

ええ、と思ったが姉の部屋から

くすねてきた

表面に爪をたてれば糸も簡単に

ぽろんと落ちる

「ありがや、ありがや」

俺は姉貴に怒られることを

忘れるぐらい

こいつに夢中になった

一緒に暮らしてほしいぐらい

「では、おいとまを」

「ワタクシ、都市伝説でして、

しかし人間に忘れさせないと言う

のもワタクシの仕事。どうぞ人と物の怪間にて」

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