大学生3人組がキャンプに行ってRPG風オリエンテーリングをする話

第47話 中級コース②

　8番目のポスト。

　アユタの問題。

　『プレイヤーの攻撃

　問題:体長2cmくらい。ツヤツヤして全体に丸い体をして、バラなどの植物の葉や根を食べる害虫は、次のうちどれ？

　①カナブン　②コガネムシ　③ハナムグリ　④いじけ虫』

　アユタ:「コガネムシは金持ちだろ？害虫とは考えられないなぁ。ハナムグリは初めて聞くけど、ハナって名前に付いてるし、多分これなんだろうな。

　よし、③だな。」

アユタはボソボソ独り言を言って選択する。

　アユタ:「うわ！間違えた！

　正解は②！コガネムシ！

　オレも敵の“カミキリ虫”にやられた。くそー。」

　俺:「アユタが間違えるなんて珍しいな。」

　アユタ:「オレも、正解ばっかだから、ちょっと余裕こいてしまった。」

　ちょっとがっかりしているが、気を取り直して次のポストへ向かう。

　途中に見つけたのは宝箱と、クワガタの看板だ。カブトムシと同じように木に括り付けられている。

　俺:「オレ、ノコギリクワガタ！懐かしー。最近全然いなくなったんだよな。」

　アユタ:「オレ、ミヤマクワガタ。

　確かに、少ないかもね。まあ、ばあちゃん家には小学生の時以来、虫採りに行ってないけど。」

　佑:「オレ、オオクワガタ。

　いろいろ昔と違っちゃうんだね。環境も、虫も。」

　俺:「佑オオクワガタかぁ！いいなぁ。昔父さんが1回だけどっかの山で捕まえてきてくれたんだ。オレは1回も山で出会ったことない。」

　佑:「ふーん、そうなんだ。」

　俺:「反応、薄！」

　9番目のポストに着いた。

　俺と佑の問題。

　『プレイヤーの攻撃

　問題:〔万葉集〕で多く歌われた、五七、五七、五七、…、七と、5文字7文字のセットを3回以上繰り返し、最後はもう一度7文字になるよう詠んだ歌のことを何という？

①短歌　②長歌　③連歌　④演歌』

　俺:「えー？何だこりゃ？

　歌が得意な佑ちゃん、どれか教えて。」

　佑:「オレ、クラシックとか音楽なら得意だけど、和歌は全然だよ。

　でも、短歌ではないよね。五七五七七だし。もちろん演歌でもない。」

　俺:「長いから“長歌”か、連なってるから“連歌”か？」

　佑:「連歌って、五七が連なるっていう意味なの？」

　俺:「知らない。ただのイメージ。アユタは分かる？」

　アユタ:「いやー、どっちかな？やっぱ大聖の言う通り、連歌の方か？」

　佑:「じゃあ、“連歌”にする！」

　俺:「オレも！」

　正解は②。俺・佑、不正解。

　俺:「違うじゃーん！ダメだ、オレ。」

　佑:「誰も分からないんだから、しょうがないよ。」

　優媛:「連歌って、五七五と七七の歌を交互に複数人で詠んでく歌だよ。要するに、短歌を繋げてくって感じね。」

　お姉さんは、ずっと黙っていたが、誰も知らないみたいなので教えてくれた。

　お姉さん、せっかくなら答える前に教えていただければ…。

　なんて、アンフェアですよね。