第26話 セミファイナル③

 『TYPHOONの攻撃』

 TYPHOONの攻撃はワンパターンだが、やっぱりさっきより少し攻撃力は弱い気がする。


 俺のHPは1/5ほど減り、アユタは残り1/5で佑はゼロで空になってしまった。


 佑:「ああ、オレやっぱり“GAME OVER”だ…。」


 佑のアバターは倒れ、そして消えた。


 佑:「あー!オレの“タスク”ちゃんがぁ!」

 俺:「まあ、HPほぼ無かったしな。」

 アユタ:「オレもこのままだとダメだな。」

 佑:「まあ、最後まで分からないから、頑張って!」

 俺・アユタ:「おう!」


『プレイヤーの攻撃』

 俺とアユタはまた翼の手でバタバタとTYPHOONを仰ぐ。


 TYPHOONはまたほんの少し小さくなって、HPは残り2/5くらいになる。

 そして、横のスクリーンに

『TYPHOONは退化し、RAIN CLOUDに戻った』

 と表示された。


 俺:「やった!元に戻った!」

 アユタ:「よっしゃ!」

 

 『RAIN CLOUDの攻撃』


 RAIN CLOUDの攻撃は、ゴーゴーと暴風雨で俺とアユタのアバターの上に雨を降らせる。だが、TYPHOONと違って雷は無い。


 アユタへの体の衝撃は雷のドンッではなく、ブルブルブルッと震えるような振動だ。

 俺は“雨ガッパ”のおかげでほとんど影響がない。


 アユタのHPは残りほんの少しになったが、俺はほとんど変わらずだ。


 『プレイヤーの攻撃』


 俺とアユタはまた翼で仰ぐ。

 RAIN CLOUDはまたほんの少し小さくなり、HPは残り1/5ほどになる。


 アユタ:「次の攻撃で残れれば、ファイナルには行ける。どうかなー、頼む!」


『RAIN CLOUDの攻撃』


 RAIN CLOUDはまたアバターに雨を降らせる。


 俺のHPはほとんど変わらないが、アユタのHPは祈り届かず、ゼロになってしまった。


 アユタ:「あー!“GAME OVER”だ!くそー、ダメだったか!」

 俺:「あとオレだけか…。不安しかないな。」

 アユタ:「オレ達の分も頑張ってくれ!」

 俺:「おう!」


『プレイヤーの攻撃』


 今度は俺1人で翼でバタバタと仰ぐ。


 この攻撃ではRAIN CLOUDを倒せなかったが、次のターンで倒すことができた。


 『プレイヤーの勝利!

 18,000コイン獲得!』


 俺:「やった!勝った!」

 アユタ:「やったな!いよいよファイナルだ!」

 佑:「よかったね!」


 横のスクリーンに、

『勝ったプレイヤーはNEXT GAMEへ⇒

 負けたプレイヤーは次へ進めません。

次の指示があるまでこの部屋で待機してください。』

 と表示される。


 俺:「えー、次の部屋にはやっぱりオレ1人で行くのかぁ。」

 アユタ:「頑張れよ!勝ってこいよ!」

 佑:「オレも行きたかったけどなー、頑張って!」


 アユタ:「時間ももう無いよな。」

 俺:「あと15分くらい。」

 佑:「タイムアウトにも気をつけて!」

 俺:「うん。じゃあ行ってくる!もし勝てて賞金もらえたら、山分けしよ!」

 アユタ:「ポイントだから、無理だろ。」

 佑:「いいよ、オレ焼肉で。」

 アユタ:「そうだな、肉食いてぇ!昨日食べたけど。」

 俺:「分かった!まかせろ!」


 少し緊張しながら、俺だけが次の部屋に入る。

 1人というのは、かなり不安なものだ。


 扉の鍵がカチャンと閉まる。

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