第30話 Luminasのユニフォーム!!
「はい!じゃあこれで今日の練習終わり!」
「お疲れ様でした!」
私はそう言って解散にしたあと、すぐに3人で家に帰った。バスで15分、家に着くまでの時間は基本的に反省会となったりする。
「たくみ、途中で帰っちゃったよね」
「あいちゃんが午前中で終わりだったみたい」
「大変やなぁ、たくみはんも」
「ねー・・・」
家についてドアを開けると、たくみとあいちゃんは2人仲良く寝ていた。
「ただいま〜!」
「・・・あれ?たくみさん、寝てる?」
「・・・寝てますな」
「私、たくみのところにいってくる」
家に帰ってきてダイニングにカバンを置き、制服のままたくみの寝ている寝室へ行った。ベッドであいちゃんと寝ているたくみは、部屋のドアが開く音で起きたみたい。
「んぁ・・・」
「ただいま」
「おかえり」
制服のままハグをすること自体、なかなか無い。でもたくみにはこうしてあげるのが1番いい。
「あそいや、宅配便が来てた」
「なぁに?」
「えーとクソデカ段ボールはどこにいったかな」
そういってたくみは倉庫を漁り始めた。でもお目当てのものはすぐ見つかったみたいで、私たちはたくみをずっと見つめてた。
「たくみはん、探し物?」
「なんか買ったみたい」
「えっ、そうなの?」
「あったぁ!!!」
出てきたのはたくみの体半分と同じくらいの高さがある段ボール一箱。私たちはそれを開けてびっくりしたの!
「ほーれっと!!」
「わぁ・・・!!」
「えっ!チアのユニフォームじゃん!!」
そう、出てきたのは私たち3人のユニフォーム。ベースの色は赤色で、胸元にLuminasって書いてある。スカートのウエストには私たち3人の名前、「Ao」「Sena」「Akari」の文字が入っていて、箱ヒダのプリーツスカートだった。
「これもしかしてLuminasのユニ?」
「そっ。買った」
「ポンポンも!?」
「丸ごと一式な。えーと確か例のブツは・・・」
「あっ、これ?」
「あそうそれだ」
赤色のユニフォームに合うピンク色のポンポン。いつもたくみを応援する時に私が使っているものと同じ大きさのもので、私は早速着替えてからたくみに見せてあげた。
「じゃーん!」
「愛央、可愛いじゃん!」
「さすが、たくみはんの妹。やりますなぁ」
「似合ってる?たくみのチアリーダーっぽいでしょ!」
「予想通りすぎたな。よしちょっと髪いじらせろ」
私はポンポンを手に持ってたくみにハーフアップを作ってもらうと、ぎゅーっと抱きついた。買ってくれたお礼といっても過言ではない。
「ふぁーいと♪たくみっ♡」
「可愛い〜!!!」
「ねぇね、かわいい!」
「そう?」
「お前さぁ・・・」
そういってたくみは部屋に行っちゃった。何か悪いことしたかなと思ってたけど、実際は違ったの。
「お待ちどおさまでした」
「わっ!!」
「たったー、おとな!!」
「え!スーツやん!!」
「買ったんだよこのために」
「たっくんすごいかっこいい」
「オメェ・・・顔赤いぞ」
「バレた・・・」
その後、みんなで着替えるとチアリーダーの私たちは頑張るお兄ちゃんのために、いっぱい応援して終わったのだった。
愛央とたっくん 1・2年生編 小糸匠 @koito_2716
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