第20話 静岡県?
「こうなったら……諦めよう‼︎」
「は???」
「いやだってもう方法なくない?」
「どうしてお兄ちゃんはそんなに簡単に諦められるの⁈」
「そんな簡単に諦められるわけないじゃないか‼︎」
「……ごめん、なさい。」
「こっちこそ悪かった。あれから色々考えたんだ。でも何も思いつかなかったんだ。」
「お兄ちゃん、まだ道はあるよ。」
「何だ?」
「心中だよ。私達の完璧な愛を残すにはこの世界なんかに囚われていてはダメ。」
「だから死のうって?」
「うん‼︎どうかな?」
「どうかなじゃねぇよ‼︎馬鹿なのかお前‼︎」
「お兄ちゃん、私浜名湖がいい‼︎」
「話聞けよ‼︎というか生々しいのはやめい‼︎」
「やっぱり他人に迷惑かけるのは良くないよね。」
「だから話を……ってもういいや。」
「となるとやっぱり発見されにくい入水か……ねぇお兄ちゃんはどんな死に方がいい?。」
「いやまだ死にたくねぇよ‼︎」
「というわけで静岡行こっ。」
「どういう話の流れ⁈で、普通に嫌だけど。」
「こんな可愛い妹の我が儘、ちょっとくらい許してくれてもバチは当たらないよ。」
「可愛いのは認めるが、自分で言われるとなんか腹立つな。」
「いいじゃん静岡、鰻食べよ鰻。」
「別に静岡が嫌とは言ってないだろ‼︎死にたくないって言ってんだ‼︎」
「いや、普通に旅行行きたいなぁ〜って思って。もしかして心中してくれる気になったの⁉︎」
「この文脈だとどう考えてもそうとるだろ‼︎あと俺はまだ死なない。」
「死なないんなら旅行行ってもいい?」
「まぁそれなら。」
「やった〜。じゃあ準備しないとだね。」
「えっ、いつ行くつもりなんだ?」
「明日だけど。」
「明日は学校だろ?」
「精神面を落ち着けるための療養ってことでお兄ちゃん学校に電話よろしく。」
「ちょっと待てって。いくらなんでも明日は早すぎないか?」
「善は急げよ。一緒に予定考えよ‼︎」
「あ〜もうわかったよ。行けばいいんだろ行けば。」
「初めからおけばいいんだよ照くん。」
「いや誰だよお前。と言うか行くんだったら予定決めるぞ。」
「うん‼︎鰻食べたい、あと浜名湖の夕日見たい。」
「おうわかった。」
静岡県。
「着いたぁ〜‼︎」
「なんかめっちゃズル休み感が出てる。」
「まずは、フラワーパーク行って次は深海水族館行こっか。」
「どこでもいいぞ。」
「もぉ〜お兄ちゃんノリわる〜い。こう言うときは思い切りウェ〜言ってするのが……するのが……。」
「いい言葉が出てこなかったんだな。ドンマイ茜。」
「私じゃないもん‼︎作者だもん‼︎」
「は〜いメタ発言禁止な〜。」
「そんなことより早く行こうよ。」
「それもそうだな。……うわっバスと電車で2時間半だってよ。せっかく静岡駅にいるのにもったいなくね?」
「確かに。」
「おっ近くに動物園あるぞ。」
「じゃあそこ行こっか。」
「おう。」
と言うわけで動物園。
「なんかカップル多くない?」
「確かにな……でっも兄弟できてるのは俺たちぐらいじゃね?」
「私たちは今カップルとして着てるんだからね‼︎」
「わかってるって。」
「本当にわかってるの?」
「もちろん。」
「じゃあキスして。」
「えっ。い、いや流石に今は人がいっぱいいるし……。」
「周りはみんなカップルだから誰も気にしないわよ。」
「そうはいってもな。」
「お兄ちゃんは私とキスしたくないの?」
「正直めっちゃしたいです。」
「じゃあ何を躊躇ってるの?」
「いやだって血繋がってるし。」
「そんなこと言ってたらいつまでも結ばれないよ。」
「だから俺は諦めようと『お兄ちゃん‼︎』……すまん今のは俺が悪かった。」
「じゃあお詫びにキスして。」
「あーもうわかったよ。」
茜に顔を近づけて、優しくほんの少し触れるだけのキス……のはずがなぜか今俺の口は茜の舌によって侵食されている……あかん、これ溶けてまうやつや……。
溶け切る前に脱出したが今のはかなり危なかった。
「お、おまっお前なぁ。」
「よかったでしょ?」
「確かによかったが、俺が襲ったらどうするつもりだ。」
「えっ襲ってくれるの?」
「あ〜もういいでぇ〜す。もう疲れた。」
その後は普通に動物園を堪能した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます