第4話

 結婚と同時に私が仕事を辞めたのは家事をしっかりやること、子供をすぐ授かるだろうからとのことだった。私は嫌だったが剛士が忙しいから支えてくれと。もし仕事したくても家事がしっかりできるなら仕事していいよ、とかいうものだから困ってしまった。すると義父母たちが嫁は忙しい夫を支えてなんぼだ! と押し進めるから結果私は専業主婦になった。


 そんな私に対して義父母たちはあまりにも不躾で義母は私に八つ当たりしてくるし、長々と近所の人の悪口を言ってきて同意させようとするし、義父はセクハラ紛い。そんな態度を私がおかしいと思ってやんわり遠回しに伝えると義母が嫁がそんな口を聞くのか! と怒り出ししばらく顔を合わせてくれず、数日して私がケーキやらお菓子やら持って訪ねて数時間説教、気がすむまで。


 夜ご飯も勝手に作ってきてそれを剛士が食べるから私が作ったものが無駄になって。私のご飯は思いっきり捨てた。


 そのご飯の入ったタッパーを返したら何も入れずに返すのか! と怒られ、何か入れて返すとそれに対する文句を言う。

 そんな義父母を自分の仕事が忙しいと放っておいた剛士。


 もうつらかった。家にいるのが辛くて出かけようとするとどこに出かけるんだと詮索してくるし、行ったらその場所に先回りしてたり、言わずにサッと出かけても帰ってくるとどこほっつき歩いてたんだと行ってくるし。

 後から聞いてたらどこか他の男とデートしてるといけないから、だとか。

 こんな調子だから男友達だけでなく女友達とも会えなくなって友達減った。


 そんなストレスだらけでそれが原因か、いや原因であろう、子供も一年授からなかった。たかが一年、されど一年。専業主婦になったのも子供を授かるためだったような? 


 毎日のように孫はまだか、遅くまで明かりがついてたからお盛んだこと、とか。半年過ぎたあたりには母が高齢出産だと知ってた義母がお前の血筋が悪いと罵られて毎日のように天気がいいですねのように、子供はまだかと尋ねてきてその間に何度か生理がきて落ち込んだり、腹痛で生理がかなり重かったり、親戚の集まりでまだ子供ができないのかと吊し上げられたり。


 そもそも半年くらいでセックスレスになった。理由は剛士の顔を見た時に目元は前から義母に似てるというのはわかってたものの、加齢でだらんと伸びた鼻から下と口元が義父にそっくりでそれが気持ち悪くてキスもしたくなくなった。

 それに加えて義母に似た目で見られるともう気持ちも半減。私から拒否をし続けたから子供ができることなんてなかった。


 義父母の口撃は常に剛士のいない時であった。だから私が剛士にこう言われたと言われてもニュアンスが伝わらず、私は義父母の悪口を言ってるようなものに捉えられて機嫌が悪くなるからいつかしらか言うのをやめた。

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