精霊の加護

 精霊と契約する数に応じてその精霊の得意とする魔法が使えるようになるのだ。

 今の僕は全ての魔法が使える尚且つセリスの能力によって錬成系魔法が強化されている状態だ。

 それに加え、皆上位精霊になれば更に大幅に強化する。 


「どうして、お前如きの魔法に!!」


 そう言って想定外の事で悔しそうにこちらを睨んでくる。

 そんなこと言われても知らんし。


「お前達の研究所を言え」


 そこに精霊の研究機関があるので、彼女らの仲間を救い出せる。

 僕は鎖で磔にして彼にそう聞く。


「いうわけねえだろ、俺が戻らなかったら全部破棄になる……聞いたところで残念だったな!!」


 そう言って勝ち誇ったように高笑いをする。

 精霊達が殺気立っている。

 それはそうだ、この森を怪我した挙句仲間を実験材料にされたのだ。

 その怒りは今すぐにでも殺したいほどだろう。


「少し耐えるか中で待っててくれ」


 そう言ったが、誰一人その場を動かなかった。

 これから僕のやろうとしていることに期待しているようだ。

 ま、期待には十分こたえれるだろうけど。


「もう一度聞く、話す気はないんだな?」


 そう言うと、彼は馬鹿にしたように笑っていた。

 それを返答と捉える。

 できれば、こんなことはしたくない。

 悪人であろうと、苦しむ中殺したくないが仕方ない。

 己が役目を遂行していただけの子達を拉致した場所を知るためだ。

 それが知れるのなら、僕は喜んで悪に染まろう。





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