炙り出し

「出てこなければ、死ぬぞ?」


 そう言って僕は石に魔力を込める。

 その間に、テイマーが姿を現す。


「……遅い」


 石が変形してテイマーの両手両足と貫く。

 こうなれば、もう動くことは出来ない。

 とはいっても、モンスターたちの方に落とすのは可哀想なので一旦精霊王の城の前に蹴り飛ばす。

 男は地面に叩きつけられ、精霊達が拘束した。

 

「お前も甘い!!」


 結界のある場所に向かって石を変形させ、襲わせる。

 姿が見えなくとも、結界に入る瞬間少し振動するのでそこに照準を合わせればどうという事はないのだ。


 石が何かを貫く。

 それと同時に魔力で石を変形させる。

 刺さった場所を元でにを覆っていく。

 しばらくして首以外の人の形をした銅像が出来上がる。


 こう拘束されてはもう何もできない。


「魔法を解け、さもなくば」

 

 そう言うと、敵は魔法を解除する。

 その男には見覚えがあった。

 魔法の天才……王国歴代二位を誇ったゲルムと呼ばれる魔導士だ。

 彼はノウェムが現れるまで、抜きん出て並ぶものなしとうたわれた正真正銘の天才だ。


「久しいな、ゲルム」


 僕の言葉に怒り心頭の様子でこちらを見る。


「レウル・ラーガス!!」

「は~い、なんでしょう?」


 怒り心頭の彼に僕はふざけた返答をするのだった。

 

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