ルナリィ

「出来上がりました」

「早!!」

 

 流石、錬成魔法といった所だろうか。

 というより彼女の元々の努力の賜物という方が正しいだろう。

 錬成魔法は、一度作った物を魔法無しで作ることで錬成の精度が上がるそうだ。

 日ごろから趣味で色々作っている彼女は主よりも錬成の精度がいいとレウル本人も言っていたほどだ。


「さて、それじゃあ私達も頑張るのです」


 そう言って素材を使って錬成していく。


「出来たのです!!」


 全員、防具が完成する。


「セリス、鑑定をお願いします!!」

「わかりました」


 そう言って彼女はそれぞれの防具に触れる。


「……使えそうですか?」


 彼女の言葉をラナーク達は待っている。


「解析できました」

「どう、ですか?」

「……うん、ラナークさん以外の練度は合格ラインです」

「嘘~!!」


 ラナークは膝をつく。

 それはそうだ、他の精霊達は合格基準なのに、自分だけ合格範囲外なのだ。


「とはいっても、ラナークさんのも……うん、これならギリギリ合格ラインでしょう」

「本当ですか!?」

「えぇ、私の鑑定には間違いありません」


 彼女の言葉に、ラナークは安堵する。


「これで、全部そろったね」

「じゃあ、明日レウルが返ってくるからサプライズにしよ~!!」


 そう言って精霊達は自身の生成した物を持ち帰るのだった。

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