合流

「お前らも、終わったか……」

「はい、余裕でした」

「こっちは私とレインで倒したよ~」


 皆、僕より強くね? 

 適材適所はあろうが、彼女達の能力を無視したとしても僕と渡り合えるので、この中では最弱と言ってもよかった。


「まぁ」


 全員、苦笑いを浮かべる。

 僕の提案であるとはいえ、ここまで強くなるのは想定外すぎる。

 僕は全員が強くなれる様、定期的に訓練と称して能力なしの剣技試合をさせている。

 あのレインでさえ、真面目に訓練し、試合に備えている。

 あの本気で悔しそうな顔は絶対精霊達で何か掛けてるよな。

 試合で毎回戦う度に本気で悔しそうな顔してるし、訓練以外でも各々剣の練習をしているのでそうとしか思えない。


「努力が実を結んだな」

「そ、そうね」

「は、はい!!」

 

 目をそらしながら、気まずそうな顔をする。

 こいつらには剣で負けないようにしよう。

 負ければどんな要求されるかわかったもんじゃない。


「貴方達では、この先に行ったって死ぬだけだ」


 おっと、意識があったか……。

 全員、殺しはしていないが、意識は刈り取ったはずだ。

 

「レウル、ちゃんと倒しなさいよ」

「まぁ、いいじゃないか……さて……」


 意識があるのならちょうどいい……情報を引き出すことにした。

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