盗賊

 場所はルネーク砂漠。

 少女の言葉の通りに、この砂漠にいる盗賊に用事があるので探しているのだが……。


「おい、ラナーク」

「はい、なんでしょう!?」

 

 ラナークに目をやると、なぜか水着を着ていた。

 

「なんで水着なんだ?」

「え、色仕掛けです!!」


 ……は?


「えっと、もう一度いいか?」


 この砂漠の暑さで聞き間違えたに違いない。

 うん、きっとそうに決まっている。

 

「色仕掛けです!!」


 聞き間違いではなかった。

 頭が痛い。

 こいつの脳みそが理解できなかった。


「お前のどこに色気がある」

「……ふふ~ん」


 何がふふ~んだ、しばくぞこいつ。


「暑さで脳がやられたんだな、可哀想に」

「酷いです!! 私だって見てください、立派なものがあるです!!」

 

 少し膨らんだ胸を張るラナーク。

 そういう事じゃないんだよな~。


 言っては何だが、彼女はそっち系の趣味でないと釣れない。

 んで、相手は盗賊だ。

 それはそれはいい物でないと釣ることはできないに決まっている。


「お前じゃ無理だ、着替えろ」

「や~ん、ここで着替えろだなんてご主人のエッチ~」


 今すぐそこに埋めてやろうか。


「おうおう、上玉がいるじゃねえか」


 後ろを見ると、いつの間にか盗賊が居た。

 

 ……いったいどこから湧いた?

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