決着

「もう、いいかな?」

「ぐぬぬっ……」


 必死に暴れて魔力を暴れさせるが、僕の手袋は作るときに素材の力を凝縮しているので通常の手袋と違い、彼女が全力を注いでいたとしても通すことはない。


「無駄なのは知ってるだろう?」


 

 これ以上やったとしても無駄だという事を悟ったのだろう、魔力を暴れさせるのをやめる。

 

「参った、もう戦う気はない」

「本当に?」

「あぁ、信用してくれたまえ」

「……わかった、だけど……」


 握っている彼女の両手に先程の手袋の素材と他の素材を合わせたブレスレッドをはめる。


「これは!?」

「うん、束縛系魔道具」


 この魔道具は僕に刃を向けたりする、と魔力が発動しない魔道具だ。

 即ち、彼女は僕に対して攻撃する魔法の一切禁止する魔法だ。

 

「攻撃しないのだろ?」

「うぅ~!!」


 何とも悔しそうな顔で言うミリア。

 攻撃する気満々じゃないか。

 そう言って彼女の上から退いて、彼女を立ち上がらせる。


「さて、汚れてしまったな……」

「問題ないさ、このくらい」


 浄化魔法を発動し、彼女は汚れを落としていく。

 僕も魔道具を出し、自分の汚れを落としていく。

 

「皆、すまない……宴会を……って無理か……」


 目の前の光景は食事が全て戦闘の後でめちゃくちゃになっていた。

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