楽しい食事会

「ご主人……ささ、どうぞ」

「あぁ、お前も飲んでるか?」

「はい、飲んでますよ~」


 上機嫌で僕にブドウジュースを注いでくれる。

 

「ありがとう」

「いえいえ、よいしょっと」


 僕の所に飲み物を注ぎ終えると、膝の上に座ってくる。

 

「ウルスラさんも、どうぞ」

「え、えぇ……ありがとう」


 そう言って彼女にもお酌をする。

 ウルスラはなんだか気まずそうに見てくるが、何か不味い事でもあっただろうか?


「この葡萄、美味しいわね」

「この地域で見つけた葡萄だ、美味しいだろう」


 散策している時に偶然見つけた畑だ。

 見つけた時は綺麗に整えられているので、誰かいるのかと思ったが見ていくうちに自然に整えられているように綺麗な場所だった。

 この未開地は誰も来ないからか、自然に残っている物は自然と残るのかもしれない。

 言い換えれば、誰かが手を加えない限り、世界は永久にその時を繰り返すのかもしれない。

 そう考えれば、知能のあるものは世界を壊す可能性があるといってもいいかもしれない。


「ささ、主様も」

「まだあるからいいよ」


 そう言って彼女の頭に手を乗せて撫でる。

 彼女は猫のような撫で声で嬉しそうな顔をしている。


「あ~、またラナちゃんが抜け駆けしてる~!!」


 ベルがそう言うと、他の精霊とエレナとノウェムがこちらを見てきた



 

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